マンスリーレポート(2017年2月号)

2017年2月28日

昨年度12月末に開始した『みんなの学校:住民参加を通した教育開発プロジェクトフェーズ2』も2か月目を迎え、徐々に本格始動へ向けた活動を開始しました。
みんなの学校プロジェクトが開発した“住民参加型の児童学力改善モデル”である『質のミニマムパッケージ』モデル関連活動においては、教育のためのグローバルパートナー(GPE)を含むコモンファンド資金により、同モデルおよびJICA/みんなの学校開発の算数ドリルのティラベリ州小学校全校(3519校、裨益児童約32万名)への拡大・普及が進められていますが、その一環として、現在、全児童分約94万冊(児童一人頭3冊)の算数ドリル印刷(総額約1億3千万円)が進められています。
また、住民支援の校外学習に効果的なツールを導入することで児童の基礎学力改善を目指す『質のミニマムパッケージ』に、いままでの算数に加えて読み書き要素を入れ込む、『質のミニマムパッケージ算数・読み書き統合型モデル』開発のパイロット活動立ち上げに向け、サイトの選定、読み書き学力テスト実施、テスト結果共有ワークショップを行いました。学力テストの結果は、アルファベットと音韻認識程度の簡単な内容(内容的には1年〜2年にて学習するレベル)でありながら、半数の回答(100中50点)に達した児童は、わずか3%という児童の読み書き能力が危機的な状況であることを再認識するものとなりました。その一方、関係者の強いニーズや関心の高さが確認され、現状の極端なレベルの低さとも相まって、適切な介入を行えば、基礎の強化という絞り込んだ目的に対して具体的な成果へと結びつく可能性への感触も同時に得ることができました。これらテスト結果は各校の保護者・住民に住民集会を通して共有され、いずれの学校においても児童の読み書き改善へ向け、住民一丸となって取り組むことが誓われました。それぞれの村からは教員に加えて、3名〜5名の住民ボランティアが選ばれ、3月中ごろから開始する住民支援の校外学習をサポートしていくこととなります。
この3月にはプロジェクト介入前のベースライン調査を実施しますが、その調査も踏まえつつ、今後、ティラベリ州全小学校3519校での『質のミニマムパッケージ』算数ドリル活動の導入・推進、『質のミニマムパッケージ算数・読み書き統合モデル開発』のためのパイロット活動、ならびに全国8州中6州の公立・私立全中学校および中高併設校、計約1300校への『機能する中学校COGES』モデル導入に本格的に取り組んでいきます。

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印刷の様子-右側が山積みのドリル

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箱詰めされたドリル

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読み書き学力テスト様子

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