マンスリーレポート(2017年3月号)

2017年3月31日

『みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクトフェーズ2』では、住民支援の校外学習に効果的なツールを導入することで児童の基礎学力改善を目指す『質のミニマムパッケージ』に、いままでの算数に加えて読み書き要素を入れ込む『質のミニマムパッケージ算数・読み書き統合型モデル』開発に取り組んでいます。その実現のために、先月に引き続き『質のミニマムパッケージ読み書きモデル』開発パイロット活動の取り組みを進め、講師研修、児童の学習サポートを行うファシリテーター研修を経て、今月中旬には、各対象村落にて、教員ならびに住民ボランティアがファシリテーターを務める「読み書き向上のための校外学習」が開始しました。
先月、学力テスト結果が共有された住民集会を通して、この活動への協力を誓った保護者・住民たちの協力により、活動実施に必要な鉛筆や消しゴム、夜間学習のためのランプ等が購入されました。また、識字率が非常に低いニジェールの現状に照らして、確保が難しいファシリテーターにおいても、3校合計23名(教員10名、住民13名)がボランティアであるファシリテーターとして児童の学習支援に参加することとなりました。この積極的な参加や動員からもすべてのアクターの関心の高さと期待が感じられます。活動開始時には、村長や保護者、住民が様子を見に学校を訪れる中、一人一人の子どもたちに読み書き学習ドリルが配布されました。真新しい鉛筆と初めて手にする自分専用のドリル、そしていつもと違う先生たちに、子どもたちは何が始まるのかと興味津々。ファシリテーターの問いかけに嬉々とした反応を示しています。住民ファシリテーターも教員に負けず劣らず、研修で学んだステップに従って、アルファベットの歌を歌ったり、教室中を右に左に動き回ったりと大奮闘。児童も住民ファシリテーターも教員も、予想をはるかに超える積極性と真剣さで活発な活動が繰り広げられました。
今後の課題は、如何に子どもたち一人一人の学習を支援していくか。ほんの僅かな“できる子”のリズムに合わせて進む通常の授業ではなく、一人一人の児童が自分のリズムで一歩一歩学びを進めていけるよう、校外学習の強みを最大限に生かした活動を進めていきます。

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おにいちゃんファシリテーターも一人一人に真剣指導。

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1年生グループ—ファシリテーターを見つめる目は真剣そのもの