マンスリーレポート(2017年4月号)

2017年4月30日

『みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクトフェーズ2』では、住民支援の校外学習に効果的なツールを導入することで児童の基礎学力改善を目指す『質のミニマムパッケージ』に、いままでの算数に加えて読み書き要素を入れ込む『質のミニマムパッケージ算数・読み書き統合型モデル』開発に取り組んでいます。
そのモデル開発へ向けた『質のミニマムパッケージ読み書きモデル』開発パイロット活動として、教員ならびに住民ボランティアがファシリテーターを務める「読み書き向上のための校外学習」が3月から開始しましたが、今月も引き続き教員・住民・児童の参加を得て、順調な活動が繰り広げられています。いずれの対象地でも、教員ファシリテーターと毎日行う授業後の1時間活動に加えて、夜の8時から9時まで、地区ごとに住民ファシリテーターのもとに児童が集まり、ランプを囲んでの夜間学習が行われています。この毎日の取り組みで、先月中旬の活動開始から現在まで、すでに約70時間もの校外学習が行われました。
そして4月末には、活動開始後約1カ月半の活動結果を見るために、中間テストを実施しました。1か月前にテストをしたときには「一体全体、何をやっているの—???」とテスト自体の意味すら分からず、とりあえず○(丸)や|(棒)などで紙面を埋めていた1年生さえも、今回は見違えるほど真剣に“読み書きの問題”と格闘していました。その点数結果はさておき、文字の概念すらなかった1年児童たちが、文字を“文字”として認識し、文字と音との間の繋がりを理解し、“読み”“書き”への意識が芽生えただけでも大進歩です。すでに進歩が見られている中高学年同様、今後のさらなる飛躍が期待されます。
その他、教育省が取り組む「教育のためのグローバルパートナーシップ」資金の「質の教育支援プロジェクト」活動において、みんなの学校プロジェクトの「質のミニマムパッケージ」モデルに導入する「現地語での読み書き副教材(第1稿)」開発が行われ、プロジェクトでも上記活動の経験をもとに教育省の支援に取り組みました。その結果、現在では、上記の読み書き学習を“現地語”で行う取り組みが10校を対象として行われています。

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活動の様子。アルファベット文字を読み上げる1年生児童

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中間テストの様子。さて、前回のテストからどんな飛躍を見せるかー?