マンスリーレポート(2017年5月号)

2017年5月31日

『みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクトフェーズ2』では、ニジェール教育省関係者や住民・保護者からの強い要望に応え、ニジェール全国の小学校において、アクセス、格差解消、教育の質の改善など、様々な教育開発課題の改善に貢献してきた“機能する”学校運営委員会(COGES)を、全国の中学校に拡大していきます。この住民参加型の学校運営委員会活性化モデルである「機能する中等COGESモデル」では、小学校のCOGESモデルを基本としつつも、特に関係者のニーズが高い生徒の学力および成績向上に効果的なCOGES活動を導入する戦略を盛り込み、生徒も中心アクターの一人としてその関与と役割を高め、また、(市単位である小学校とは異なり)県単位で中等COGESをグループ化する県連合の導入を図ります。モデル自体は、プロジェクトが前フェーズ時のパイロット活動を通してその有効性を実証し、昨年度教育省により承認されたものですが、第2フェーズでは、「承認モデル」導入にかかるツールをさらに改訂した上で、2017/2018年度にはニジェール国内4州の約1000校、翌2018/2019年度には2州約300校へと普及していきます。
今月は、その普及へ向けた第一歩として、中等教育省中央地方の関係者を一堂に集め、「機能する中等COGESモデル普及計画・改訂モジュール承認ワークショップ」を開催しました。ここで、モデル普及へ向けた研修実施プロセスとスケジュール、ならびに研修モジュール内容を関係者と確認し、これを実現するための各自の役割を明確化しました。今後さらなる準備を進め、今年度9月には講師研修ならびに現場での研修を開始します。
その他、今月末にJICA本部から「プロジェクト運営指導調査団」が来二し、関係者聞き取りや視察訪問などを通して、立ち上げ後5カ月となる現在の活動進捗状況の確認が行われました。調査団から課題ともに様々な提言が初等・中等分野共に示されましたが、それと同時に、「質のミニマムパッケージ(読み書き)」などプロジェクト活動の有効性への期待も伺われました。調査団の提言を踏まえ、今後もプロジェクト活動の発展と成果発現へ向けて、取り組んでいきます。

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前フェーズパイロット活動での中等COGES設置選挙集会風景

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「機能する中等COGESモデル普及計画・改訂モジュール承認ワークショップ」開会式様子

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JICA運営指導調査団「質のミニマムパッケージ(読み書き)パイロット活動」視察。活動中アルファベットを読み上げる1年生