マンスリーレポート(2017年12月号)

2017年12月31日

『みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクトフェーズ2』では、初等教育分野と中等教育分野、二つの分野にて活動しています。初等教育分野においては、住民支援の校外学習に効果的なツールを導入することですべての児童の“読み書き”と“計算”の基礎学力改善を目指す『質のミニマム・パッケージ』の開発と普及に取り組み、中等教育分野においては、アクセス、格差解消、教育の質の改善など、様々な教育開発課題の改善に貢献する“機能する”学校運営委員会(COGES)モデルの全国普及を進めています。
2017年最後の月となる12月、「初等教育分野」では、53校を対象とした2017/2018年度の『質のミニマムパッケージ算数・読み書き統合モデル』開発パイロット活動の一環として、学校現場での「読み書き・計算能力向上のための校外学習活動」開始へ向けた、ワークショップおよび各種研修を実施しました。まず、昨年度実施した「質のミニマム・パッケージ読み書き活動」と、インドのNGOのアプローチをベースに今年10月に実施した「10日間読み書き速習活動」の試行結果を踏まえ、児童一人一人が確実に「読み書き能力」を向上できるような“より効果的な”モデルの導入を目指し、「質のミニマム・パッケージ読み書き」ツール(児童用演習帳、ファシリテーターガイド)の改訂に取り組みました。様々な試行・実践からの学びと共に、ツール改訂ワークショップでの現場アクターとの協議を通して、“実践的かつ能動的な学び”へと繋がるツールが完成しました。そして、その“読み書き演習帳”と“算数ドリル”を活かした活動が適切に行われるよう、「質のミニマム・パッケージ」活動に携わる教員・住民ボランティアに対する「ファシリテーター研修」を実施しました。このファシリテーター研修は、ほぼ実際の活動シミュレーションだけで構成していることから、参加者の知識向上のみならず、現場にて即適用可能な実践的技術の習得が可能となります。また、研修参加者自身が児童の視点で学ぶことで、より児童に寄り添う活動へと繋がることが期待されます。わずか数日で、読み書き活動と算数ドリルの使い方を学ぶ盛りだくさんの研修でしたが、研修参加者の「楽しむ姿」が、まさに現場での児童の「楽しむ姿」と重なり、今後の成果が期待できる研修となりました。来年1月からはいよいよ対象53校にて、約7000名の児童が「読み書き計算」の学力向上へ向けた質のミニマム・パッケージの校外学習に取り組みます。
一方の「中等教育分野」においては、先月11月より開始した、中等COGESの機能化に不可欠な、“計画策定能力”および“リソース動員・管理能力”の強化と、モニタリング体制構築へ向けた“中等COGES連合設置”のための能力強化研修が完了しました。これにより、対象4州内約950校において民主的に選ばれた「中等COGES」メンバー3800名に対する能力強化が行われたことになります。今後は各校にて、今年度の学校活動計画策定が進められますが、それと並行して、来月には、ニジェール初の「中等COGES連合」が立ち上がる予定です。

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「質のミニマム・パッケージ統合モデル」ファシリテーター講師研修(読み書き活動・算数ドリル活動)

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「質のミニマム・パッケージ統合モデル」ファシリテーター講師研修(読み書き活動・算数ドリル活動)

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「質のミニマム・パッケージ統合モデル」ファシリテーター研修(読み書き活動)

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「質のミニマム・パッケージ統合モデル」ファシリテーター研修(算数ドリル活動)