マンスリーレポート(2018年2月号)

2018年3月1日

『みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクトフェーズ2』では、初等教育分野と中等教育分野、二つの分野にて活動しています。初等教育分野においては、住民支援の校外学習に効果的なツールを導入することですべての児童の“読み書き”と“計算”の基礎学力改善を目指す『質のミニマム・パッケージ』の開発と普及に取り組み、中等教育分野においては、アクセス、格差解消、教育の質の改善など、様々な教育開発課題の改善に貢献する“機能する”学校運営委員会(COGES)モデルの全国普及を進めています。
「初等教育分野」では、『質のミニマムパッケージ算数・読み書き統合モデル』開発のパイロット対象校にて、先月より開始した「質のミニマムパッケージ」読み書き・算数の校外学習活動が、コミュニティ支援により順調に実施が継続されています。その結果、今月2月のはじめに実施した中間テストでは、アルファベット文字すら読めなかった子どもが単語を読めるようになるなど、僅か1カ月程度の実施にもかかわらず、1年生から6年生のすべての学年で、読み書き・算数共に改善がみられています。そして、いよいよグローバルパートナーシップ等の支援にて実施される予定であった「質のミニマムパッケージ・算数ドリル活動」のティラベリ州全3500校への普及が、来月開始する予定です。これによりティラベリ州内の32万名以上の児童がコミュニティ・教員の支援を受けて、JICA/プロジェクト開発の算数ドリル活動に取り組むこととなります。
また、2月末にはマダガスカルの首都アンタナナリボにて、インドのNGO「Pratham(プラサム)」とJICA「みんなの学校プロジェクト」関係者による「地域経験共有セミナー」を5日間に渡り開催しました。「質のミニマムパッケージ」モデルを通した児童の基礎学力改善に取り組むニジェールとマダガスカルの「みんなの学校」プロジェクト関係者と同分野に多くの知見を持つインドNGOとの5日間にわたる活動視察や意見交換は、子どもの学習にかかる今の危機的な状況を変えようという強いモチベーションと互いに学び合おうという積極的な参加者の姿勢とやり取りにより、非常に学びの多い機会となりました。今後この学びを基にみんなの学校の「質のミニマムパッケージ」モデルのさらなる改善へと繋げていきます。
一方の「中等教育分野」では、先月に引き続き、中等COGES連合事務局メンバーを選出する秘密投票による選挙総会が対象州各県において開催されました。現在までに、ニアメ州を除く、プロジェクト対象3州内の全県にて31の中等COGES連合が設置されています。今後、ニジェールのみならず、仏語圏西アフリカおよび「みんなの学校プロジェクト群」でも“初”となる「中等COGES連合」の活動がいよいよ始動します。

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「質のミニマムパッケージ」活動実施風景(グループでの話し合いの様子)

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JIA-プラサム経験共有セミナー参加者(日本、インド、ニジェール、マダガスカル)

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マダガスカルみんなの学校プロジェクト「質のミニマムパッケージ」読み書き活動様子