マンスリーレポート(2018年4月号)

2018年5月1日

『みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクトフェーズ2』では、初等教育分野と中等教育分野、二つの分野にて活動しています。初等教育分野においては、住民支援の校外学習に効果的なツールを導入することですべての児童の“読み書き”と“計算”の基礎学力改善を目指す『質のミニマム・パッケージ』の開発と普及に取り組み、中等教育分野においては、アクセス、格差解消、教育の質の改善など、様々な教育開発課題の改善に貢献する“機能する”学校運営委員会(COGES)モデルの全国普及を進めています。
「初等教育分野」では、グローバルパートナーシップ(GPE)の支援による「質のミニマムパッケージ・算数ドリル活動」がティラベリ州内3500校にて3月末より開始し、児童32万名が現在JICA/プロジェクト開発の算数ドリルに取り組んでいます。これに先立ち、3月に開催した「質のミニマムパッケージ普及キックオフセミナー」では、質のミニマムパッケージ活動を通した学年度末の学力テスト結果の30%改善を目標として掲げ、CGDES連合、教育行政、市長、CGDES監督官それぞれが、目標達成へ向けた活動誓約を宣言しました。そして、今月開催した「CGDES監督官会合・視学官会合」を通して、全関係者がその誓約を順守し、順調な活動の立ち上げに至ったことが確認されました。
まず、州内の全45学校運営委員会(CGDES)連合にて、連合総会や学校訪問を通したCGDESへのセミナー内容報告会が開催され、その後、現在までに州内95%以上の学校にてセミナー報告の住民集会が開催されたことが報告されています。また、96%以上の学校が週10時間以上の「質のミニマムパッケージ活動」を学校活動計画に盛り込んでおり、3月下旬には予定通り3519校での活動開始が確認されました。短期間でのこれほど高い情報浸透力に、改めてCGDESネットワークの強さが感じられました。スタートの遅れから学年度末まで残り1カ月半程度であり、活動期間の短さは否めませんが、コミュニティ・教育行政一丸となって取り組む現在のティラベリ州の状況に鑑みると、学年度末の結果が大いに期待されます。
一方の「中等教育分野」では、他の対象3州に比べて大幅に遅れをとっていた首都ニアメにて、州内初の「中等学校運営委員会(COGES)連合」が立ち上がりました。連合メンバー選挙総会に際しては、都市部特有の集まりの悪さも当初懸念されていましたが、蓋を開けてみると、予定のほぼ100%に近いCOGESから代表者が集まった他、教育行政官はもちろんのこと、市長ならびに近隣の村長、地区長などの伝統的宗主、初等の学校運営委員会連合関係者など、この地区の教育に関心をもつ様々なアクターが参列する活発な会合となりました。このニアメ初の中等COGES連合設置が、他州に比べて後れを取っているニアメの中等COGESの起爆剤となり、個々の中等COGESの活性化、およびニアメ州内他地区の中等COGES連合設置に繋がることが期待されます。

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質のミニマムパッケージ算数ドリル活動様子

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ニアメ州第5地区中等COGES連合設置にかかる連合事務局メンバー選挙様子