マンスリーレポート(2018年5月号)

2018年6月1日

『みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクトフェーズ2』では、初等教育分野と中等教育分野、二つの分野にて活動しています。初等教育分野においては、住民支援の校外学習に効果的なツールを導入することですべての児童の“読み書き”と“計算”の基礎学力改善を目指す『質のミニマム・パッケージ』の開発と普及に取り組み、中等教育分野においては、アクセス、格差解消、教育の質の改善など、様々な教育開発課題の改善に貢献する“機能する”学校運営委員会(COGES)モデルの全国普及を進めています。

「初等教育分野」では、グローバルパートナーシップ(GPE)の支援による「質のミニマムパッケージ・算数ドリル活動」普及において、ティラベリ州内3500校の児童約32万名が現在JICA/プロジェクト開発の算数ドリルに取り組んでいます。開始から2か月となる現在、当初みられた現場での技術的な問題も、集中的なモニタリングの甲斐もあり、急速な勢いで改善に向かっています。今月開催した「CGDES監督官会合・視学官会合」や教育省中央による活動視察結果においても、教育行政側の視学官や指導主事、CGDES監督官、CGDES連合の強力なサポートの下、現場の教員、保護者、住民の積極的な活動参加が報告されており、各校週10時間という活動が定着していることが確認されています。そして何より、いずれの児童も嬉々として算数ドリルに取り組んでおり、活動のみならず学校の授業を含めた学習意欲の向上へと繋がっているとのことです。その他にも、指導主事の学校訪問時に自発的な校内研修が実施されたり、中学生が児童の学習サポートのために参加したりと、州内全体のアクターが一丸となって児童の学習改善という目的達成へ向けて取り組んでいる様子が伺われます。

来月初めには、対象3500校全校にて、今回の活動結果を測るための算数学力テストが実施されます。2か月半から3か月という短期間ではありましたが、これら関係者の努力が、州目標として掲げる「テスト結果の30%改善」という具体的成果へと結びつくことが期待されます。

一方の「中等教育分野」では、先月のニアメ州5区での州内初となる「中等学校運営委員会(COGES)連合」設置に刺激を受けた他区にて、次々とCOGES連合メンバーの選挙総会が開催され、中等COGES連合が立て続けに設置されました。これにて中等COGES推進における大幅な遅延が懸念されていたニアメ州においても、COGES連合が設置されていない地区は一つを残すのみとなっています。既に学年度末を迎えつつありますが、これらCOGES連合設置は、来学年度の州内COGES活動の活性化へ向けた大いなる後押しとなると思われます。

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質のミニマムパッケージ算数ドリル活動・中学生が子どもたちのサポートをする様子

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質のミニマムパッケージ算数ドリル活動