マンスリーレポート(2018年6月号)

2018年7月1日

『みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクトフェーズ2』では、初等教育分野と中等教育分野、二つの分野にて活動しています。初等教育分野においては、住民支援の校外学習に効果的なツールを導入することですべての児童の“読み書き”と“計算”の基礎学力改善を目指す『質のミニマム・パッケージ』の開発と普及に取り組み、中等教育分野においては、アクセス、格差解消、教育の質の改善など、様々な教育開発課題の改善に貢献する“機能する”学校運営委員会(COGES)モデルの全国普及を進めています。

「初等教育分野」では、今年度グローバルパートナーシップ(GPE)の支援により、ティラベリ州内3500校に「質のミニマムパッケージ・算数ドリル活動」が普及され、児童約32万名がJICA/プロジェクト開発の算数ドリルに取り組みました。そして、学年末を迎えた6月末、対象3500校全校にて、今回の活動結果を測るための算数学力テストが実施されました。当初予定よりもドリルの配布が大幅に遅れたため、残念ながら2か月程度という非常に短い実施期間となりましたが、活動に参加した教員は皆、子どもたちが熱心にドリルに取り組む姿に触れ、すでに児童の学力改善を確信しているようで、誰も彼もがその効果を口にし、テスト結果の向上に強い期待を寄せていました。ティラベリ州が目標として掲げた「テスト結果の30%改善」という具体的成果へと結びつくかどうか、いよいよ来月7月初めには3500校が取り組んだ質のミニマムパッケージの結果が明らかになります。

一方の「中等教育分野」では、4月のニアメ州5区での「中等学校運営委員会(COGES)連合」設置が予想以上の波及効果を生み、6月上旬までにニアメ州内全域において、合計5つの中等COGES連合が立ち上がりました。これにより、プロジェクト対象4州内に見込まれていた36県・区において100%の割合で中等COGES連合が設置されたことになります。立ち遅れていたニアメ州での全域設置を受け、さらに勢いづくこのニジェール初(世界初?)の中等COGES連合ですが、ニアメ州各校の重い腰をも動かしたこの中等COGES連合が、今後、中等教育にどのような作用をもたらすのか、非常に注目されます。

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学校訪問時、基礎学力向上のために教育省が導入した強化プログラムに取り組む児童。教育省においても、児童の基礎学力向上の必要性が認識されはじめ、積極的な取り組みが推進されています。

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質のミニマムパッケージ算数ドリル活動エンドライン学力テスト実施風景