マンスリーレポート(2019年2月号)

2019年2月28日

『みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクトフェーズ2』では、初等教育分野と中等教育分野、二つの分野にて活動しています。初等教育分野においては、住民支援の校外学習に効果的なツールを導入することですべての児童の“読み書き”と“計算”の基礎学力改善を目指す『質のミニマムパッケージ』の開発と普及に取り組み、中等教育分野においては、アクセス、格差解消、教育の質の改善など、様々な教育開発課題の改善に貢献する“機能する”学校運営委員会(COGES)モデルの全国普及を進めています。

「初等教育分野」では、先月に引き続き、「質のミニマムパッケージ」読み書き・算数活動のファシリテーター研修を残りの42校にて実施しました。これにより、今年度パイロット対象校101校すべてのファシリテーター研修が完了し、13000名以上の児童の学力改善へ向けた活動開始の準備が整いました。一方、先月ファシリテーター研修を受講した59校では、質のミニマムパッケージ活動が一足早く各校にて開始しました。今年度の質のミニマムパッケージ活動では、従来のドリル活動に加えて、インドNGO Prathamから学んだ習熟度別活動TaRL(Teaching at the Right Level)を融合させ、学びに繋がる児童参加型の様々な活動を組み入れています。子どもたちは授業とは違うグループ分けや活動ファシリテーター、一人一人に配られる教材とバラエティーに富む参加型活動の数々に興味津々で、瞬時にこの活動に魅了されています。遊びながら数やアルファベットを学べる活動では我先にと参加し、グループワークも互いに助け合い、競い合いながら学んでいます。ファシリテーターを務める教員やコミュニティのメンバーも初めは上手くできるか不安な様子も見せていましたが、活発に参加する児童の姿を目にするにつれ、児童との対話や活動を楽しむようになってきています。

スタートを切ったばかりのこの活動では、ファシリテーターの能力や技術の向上、より効果的な活動の選択と進行の仕方、最適なツールの活用など、まだまだ改善の余地はあり、現場では活動モニタリングやファシリテーターのメンタリング・指導がまだまだ強く求められています。しかしながら、開始1日、2日の時点で予想以上に活発な活動が繰り広げられている様子は、今後の発展への期待が強く感じられます。今後も現場の状況を注視し、広い範囲での実施が可能となる、より汎用性および費用対効果の高いモデルへと精度を高められるよう取り組んでいきます。

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「質のミニマムパッケージ」読み書き活動様子‐各自短文小冊子を手に、短文を見て、聞いて、指でなぞり、そして口に出すことで「読み」を身に着けていきます。

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「質のミニマムパッケージ」算数活動様子‐棒とゴムを使って一や十の位の概念を身に着けていきます。