マンスリーレポート(2019年11月号)

2019年11月30日

『みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクトフェーズ2』では、初等教育分野と中等教育分野、二つの分野にて活動しています。初等教育分野においては、住民支援の校外学習に効果的なツールを導入することですべての児童の“読み書き”と“計算”の基礎学力改善を目指す『質のミニマムパッケージ』の開発と普及に取り組み、中等教育分野においては、アクセス、格差解消、教育の質の改善など、様々な教育開発課題の改善に貢献する“機能する”学校運営委員会(COGES)モデルの全国普及を進めています。

「初等教育分野」では、全国的な女子就学促進のため、みんなの学校「フォーラムアプローチ」による全国8州での「州教育フォーラム」開催をUNICEFと協働で支援しています。10月には「州教育フォーラムキックオフセミナー」を開催し、全国8州の地方行政、教育行政の代表者が、ニジェールの女子就学促進へ向けて一丸となって取り組むことを公言しましたが、11月はその各州代表の宣言に基づき、「女子就学促進州教育フォーラム」を全国8州各地にて順次開催しました。

各州の教育フォーラムでは、全国で140万名以上もの7~12歳の就学年齢児童が未就学であり、特に新入生となるべき7歳女子児童の半分は就学機会を得られていないニジェールの現況に鑑み、今年度2019/2020年度の新入学児童数の増加、特に女子児童の入学促進がテーマとして取り上げられました。そして、州ごとの現在の就学・未就学状況や新入生の男女比率をもとに、各州300名にも上る参加者の喧々諤々の討議を経て、入学児童数の目標値、男女比率の目標値が決議され、地方行政を担う州知事、県知事、市長から、コミュニティの代表である学校運営委員会連合、地方教育行政の長である州教育事務所長や視学官、さらには伝統的宗主や宗教指導者、教員代表など、それぞれのアクターが、フォーラム決議の実現と目標値達成へ向けた活動誓約を公に宣言しました。

今後は、州フォーラムでの決議目標達成へ向けて、コミュニティ、地方行政、教育行政などそれぞれのアクターの活動誓約が、学校運営委員会連合総会や住民集会を通して全国2万以上の学校コミュニティへと広がっていくとともに、全国津々浦々の村落にて、一人でも多くの子どもたちに教育機会を提供するため、住民による入学促進のための活動が展開されます。

【画像】州教育フォーラムの様子。各州300名近くの関係者が一同に会し、地域の教育の問題について協議しました。