マンスリーレポート(2020年1月号)

2020年1月31日

『みんなの学校:住民参加による教育開発プロジェクトフェーズ2』では、初等教育分野と中等教育分野、二つの分野にて活動しています。初等教育分野においては、住民支援の校外学習に効果的なツールを導入することですべての児童の“読み書き”と“計算”の基礎学力改善を目指す『質のミニマムパッケージ』の開発と普及に取り組み、中等教育分野においては、アクセス、格差解消、教育の質の改善など、様々な教育開発課題の改善に貢献する“機能する”学校運営委員会(COGES)モデルの全国普及を進めています。

「初等教育分野」では、昨年度2019年11月に、全国的な女子就学促進のため、みんなの学校「フォーラムアプローチ」による全国8州での「州教育フォーラム」開催をUNICEFとの連携により共同で支援しました。そして現在、全国8州のコミュニティメンバー、保護者、教員、教育行政官、市長や知事、村長や宗教指導者など、学校にかかわる現場アクターを総動員して実施した「女子就学促進」のための州教育フォーラムと、その後の活動の全国的な結果が回収されています。

この8州にまたがり実施した州教育フォーラムでは、小学校1年生の入学者数の増加と女子児童の入学促進(女子の割合増加)を目標に取り組んできました。達成目標は州ごとに定められましたが、全国的な目標値としては、「入学者数537,200名、内、女子児童の割合46.5%」であった2018年を基準値とし、入学児童数の20%増(10万名強の増加)とその中での女子児童の割合を47.5%まで上げることを目標として掲げました。この全国目標をベースに、全国8州でのフォーラムが開催され、各州フォーラムを受けて、全国各地で様々な現場アクターの集会やキャンペーン、7~9歳児童の入学登録にかかるコミュニティへの働きかけと共に、新入生受け入れ態勢の整備が進められ、昨年度2019年12月末日まで新入生の入学受け入れが行われました。

果たしてその結果はー。まだ最終数値ではないものの、入学者数はおよそ30%増となる約70万名にまで達し、そのうちの女子の割合も目標値である47.5%に至ったことが確認されています。8州ほぼすべてがフォーラム目標に達するか、それ以上の成果を上げています。この成果は、まさに、みんなの学校開発のアプローチの有効性と共に、地域教育開発にかかるコミュニティ参加と関係者連携の効果と可能性を示しています。

そして今、プロジェクトでは、初等教育での成果を受け、この全国的なコミュニティ参加の就学促進ムーブメントを中等教育に広げようと取り組みを開始しました。今年2~3月には、再びUNICEFとの連携により、初等・中等両教育分野にまたがる第2回全国8州初等・中等教育フォーラムを開催予定です。今回の第1回州教育フォーラムを通して小学校に入った子どもたちや、初等教育を経て中学校に入った子どもたちが、ドロップアウトすることなく、きちんと継続して教育を受けられるように、全国に広がる初等CGDESと中等COGESのネットワークを駆使して、初等教育・中等教育の現場アクターによるシナジー活動を生み出していきます。

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授業の様子-女の子も男の子も積極的に手を挙げてます。