入院医療の包括払い方式の改善に向けて:第1回DRGワークショップ

2021年9月22日

診断群分類(DRG)を活用した入院医療包括払い制度についてのワークショップが9月22日にオンラインで開催されました。今回の開催は、これまでのワークショップの中で、DRGの支払い金額について提供している医療と金額が見合わないのではないかという声等がタイ国内で上がっており、日本の知見を共有して欲しいという要望が契機になりました。日本の急性期入院医療包括払い制度であるDPC/PDPSのノウハウを学ぶことで、20年近い実績のあるタイのDRGシステムがさらに洗練されることが期待されます。日本から2名の講師を迎え、タイの国民医療保障機構(NHSO)から約70名が参加しました。

DRGは医療財政の効率と医療の質を向上させるために有用な支払い方式であり、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成、維持に資するものと世界的に認められています。

本ワークショップでは、タイDRGの運用責任者が、制度の詳細と、医療提供者が納得する支払い額の設定や不適切なコーディングの防止などの課題についてプレゼンテーションを行いました。これに対し、日本の講師から、日本のDPCシステムにおいて、患者の重症度の違いや病院の機能や地域医療への貢献の違いによって支払い額を調整する医療機関別係数等について、詳しい説明がなされました。また、DPCの支払い審査と監査がどのように行われているかも共有されました。加えて、講師と参加者間の熱心な質疑応答、意見交換により互いの制度への理解が深められ、非常に有益な学びの機会となりました。

GLO+UHCプロジェクトは、タイと日本、さらに、DRGシステムを導入しようとしている他の国々との間で、実践的な知識の共有を進めてまいります。

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