ベトナムの持続可能な発展のため、農村地域への安定した電力供給が最も重要な課題の1つとなっている。ベトナムの農村部では、電力系統が十分に整備されていない地域もあり、その場合は、化石燃料で作動する熱機関(ガスおよびディーゼルエンジンなど)を分散型発電機として使用して電力を賄っている。
近年、温室効果ガス排出量の削減のため、バイオマス発電が注目されている。しかしながら、燃焼プロセスに基づく熱機関を用いた発電では、発電効率が約20~30%と低い。これに対し、電気化学プロセスに基づく燃料電池による発電を導入することで、燃料の化学エネルギーを、熱エネルギーを介さずに直接電気エネルギーに変…