ホーチミン・パスツール研究所のバイオセーフティレベル3の実験室が完成し、引渡式を行いました

2022年1月17日

2022年1月17日に、ホーチミン・パスツール研究所(Pasteur Institute of Ho Chi Minh City:PI HCMC)にて、バイオセーフティレベル(Biosafety Level:BSL)3実験室の完成・引渡式を行いました。今年はPI HCMCの設立130年という記念の年であり、当日は保健省、在ベトナム日本領事館、JICA事務所、国立衛生疫学研究所(National Institute of Hygiene and Epidemiology:NIHE)などから多くの関係者が参加しました。

プロジェクトでは、2017年のプロジェクト開始時から5年間に渡り、PI HCMC でのBSL-3実験室の建設のために、「実験室のデザイン、設計、建築」、及び、「実験室機材・システム機材の調達」などの協力を行ってきました。

「実験室のデザイン、設計、建築」の面では、民間の建築業者も交えた関係者間で、延べ42回ものオンラインミーティングを行い、BSL-3として最適で、且つ研究者(ユーザー)が使いやすい実験室になるようにデザイン・設計・建築されました。2021年の6月から始まった建築は、途中、COVID-19の流行により建築が一時中断するなど、様々な問題が発生しましたが、関係者の連携と協力のお陰で、無事に建築工程が完了しました。

また、「実験室機材・システム機材の調達」においては、BSL-3実験室に必要な各種機材の選定から調達完了までに実に1年半の時間を要しましたが、空調システム、排水処理システム、両面オートクレーブ等、総額2億円の実験室機材・システム機材がJICAの支援によってBSL-3実験室に設置されました。

プロジェクトの協力期間は残り1年強ですが、今後は各種病原体の検査能力向上のための研修実施等に今回完成したBSL-3実験室を有効に活用していく予定です。また、プロジェクト終了後もBSL-3実験室が問題なく稼働・運用されていくように、PI HCMCのメンテナンス計画の策定にも協力していきます。

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リボンカットの様子

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在ホーチミン日本領事館 渡邊総領事(右)PI HCMC副所長 Mr. Nguyen Vu Thuong (左)

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BSL-3実験室内見学