災害時にどのようなことが起こりうるのか想像する力を養い、情報の処理能力、判断力を鍛えるとともに、防災計画の検証が行える災害図上演習。これまでタイではあまり実施されていなかった。本プロジェクトの活動を通じて、災害図上演習が徐々にタイ防災局に根付きつつある。
タイ防災局職員向けの研修にも、災害図上演習を取入れている。成果の発表にも熱が入る。
本プロジェクトでは、コミュニティのための警報・避難計画策定ワークショップを開催し、コミュニティによるハザードマップ作成、避難経路、避難場所の確認、防災のための組織づくり等について支援を行っている。写真は、作成されたハザードマップを用いて、DIG(ディザスター・イマジネーション・ゲーム)を実施しているところ。
コミュニティで実施中の避難訓練の一コマ。街角に、ワークショップで作成された避難経路図と、避難場所の方向を示すサインボードが掲示されている。
カウンターパートを日本に招いての研修では、東日本大震災の被災地の一つ、岩手県田老地区を訪れた。被害の凄まじさもさることながら、日本の被災者支援制度、がれきの処理、復興構想などに高い関心が寄せられた。
洪水リスク管理に関する研修風景。構造物対策設計のための基礎知識を付けることを目的として実施。
モデルサイトに設置した雨量計・水位計を使用した野外研修。全国で画一的に定められてしまっている警戒基準に対して、地域ごとの降雨と洪水との関係を明らかにし、警戒基準の改善に役立てる。
防災教育のワークショップで実施したモデル授業に参加中の中学生。真剣なまなざしで説明に聞き入っている。
洪水の原因について発表する中学生。下のほうにある挿絵は、左は堤防が決壊しておきる洪水、右は内水氾濫。
2011年のタイにおける大規模洪水では、多くの若者がボランティアとして土嚢(どのう)作りに精を出した。本プロジェクトでも、当時不足していた土嚢(どのう)袋(250,000袋)を緊急支援物資としてタイ防災局に提供した。