淡水養殖改善・普及プロジェクトフェーズ2

Freshwater Aquaculture Improvement and Extension Project Phase 2 (FAIEX-2)

終了案件

国名
カンボジア
事業
技術協力
課題
水産
協力期間
2011年3月2015年2月

プロジェクト紹介

カンボジアでは、灌漑施設が不十分なことや、頻発する洪水や干ばつのため、生計を米に依存している農民の生活基盤は脆弱です。そこで作物や現金収入源の多様化の観点から、水田、水路、ため池などを利用した小規模養殖の拡大を目指していました。この協力(フェーズ2)では、フェーズ1において南部4州で養殖技術の普及に成功した実績を受け、より貧困度が高く、自然環境も異なる北西部を対象に、さらなる養殖技術の改良と普及を実施しました。これにより、対象地域の小規模養殖による生産量の増加と、小規模養殖農家の収入の改善に寄与しました。

協力地域地図

淡水養殖改善・普及プロジェクトフェーズ2の協力地域の地図

事業評価

協力現場の写真

  • 養殖発展段階で先をいく近隣国での第三国研修を取り入れています。2011年と2014年にインドネシアのジャンビ淡水養殖センターで、普及員と種苗農家が種苗生産技術の研修を受けました。(プロジェクトサイト:ニュース7・ニュース54で紹介されています) 

  • 普及広報ツールとして養殖カレンダーを農家へ配布しています。カレンダーは6枚綴りでその時期の養殖および養殖の準備作業をイラストで描いています。カウンターパートがカレンダーのイラストを指し、各月の養殖作業の説明をしています。(プロジェクトサイト:ニュース11で紹介されています) 

  • 氾濫原の稲田漁業資源管理のため共有池の魚道整備と維持管理を推奨しています。共有池管理グループ、村人らと話し合い、FFW(Food For Work)による共同作業での魚道整備をしました。(プロジェクトサイト:ニュース57で紹介されています) 

  • 初めて種苗生産に取り組む農家の中には、なかなか生産に成功しない農家もいます。技術課題を見つけ、足りないスキルを補完するブラッシュアップ研修を毎年実施しています。(プロジェクトサイト:ニュース24・ニュース66で紹介されています) 

  • 養殖研修を受講した農家へは最初1回だけ養殖種苗をプロジェクトから配布放流し、養殖を実践してもらいます。半年から1年後に収穫した後、彼らの80パーセント以上が2回目の稚魚を購入し養殖を継続しています。(プロジェクトサイト:ニュース71で紹介されています) 

  • 種苗生産農家が講師役を務める農民間研修がプロジェクトの普及の柱です。毎年30〜40戸の中核農家が各自の担当コミューンを受け持ち、25〜30名への新規農家へ養殖を教え稚魚を供給します。(プロジェクトサイト:ニュース40で紹介されています) 

  • 新規に種苗生産に取り組む農家は、まず魚の孵化施設を準備せねばなりません。簡易孵化タンクと貯水槽がセットになったプロジェクト標準モデルのハッチェリー建設を専門家とカウンターパートが指導しています。(プロジェクトサイト:ニュース63で紹介されています) 

  • 内水面養殖普及に関連する事業を実施中の類似プロジェクトからの視察研修を受け入れています。これまでにラオス、ベナン、マダガスカルの研修員にプロジェクトの普及システムと養殖技術を見てもらう機会がありました。ベナン養殖プロジェクトの専門家とカウンターパート訪問時には農民間研修の様子も見学してもらいました。(プロジェクトサイト:ニュース18・ニュース43・ニュース48で紹介されています) 

  • 池を掘削した農家夫妻です。プロジェクトの対象地域には養殖に興味を持つものの、池を持たない農家が多数存在します。より貧困度の高い地域へも養殖普及を進めるため、WFP(World Food Programme)が実施しているFFA(Food for Asset)に倣い、食糧(コメ)配給をインセンティブとした農家自身による養殖池掘削を実施しました。(プロジェクトサイト:ニュース37・ニュース52で紹介されています) 

  • 稚魚を放流した後の成長を確認するためのサンプリング調査です。曳き網もしくは投網で十数尾を捕獲計量し、魚の成長率から池全体での生産量を推定します。(プロジェクトサイト:ニュース16で紹介されています) 

関連情報

関連・連携プロジェクト

関連・連携プロジェクトはありません。

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