第70回メキシコ湾・カリブ海漁業学会にてCARIFICOの成果を発信
第70回メキシコ湾・カリブ海漁業学会（Gulf and Caribbean Fisheries Institute：GCFI）が、11月6日から10日にかけて、メキシコ、ユカタン半島のメリダにおいて開催されました。本学会は、学術研究機関に加えて、各国の行政機関やNGOs、民間業者などから約400名におよぶ関係者が参加し、情報の発信や意見の交換が行われました。今回の主な議題は、1）漁村の社会経済とガバナンス、2）海洋保護区、3）漁業とジェンダー、4）海洋性哺乳類の管理、5）サンゴ礁の管理、6）人口漁礁の管理、7）回遊魚の管理、でした。
CARIFICOからは、各国水産局やフロリダ大学と共同で行われた社会経済調査の結果、及び漁業共同管理ガイドラインについて、また、セントルシア水産局と共同で行っている、コンクガイの調査について口頭発表を行いました。加えて、ポスター発表では、グレナダ水産局がFAD共同管理、アンティグア・バーブーダ水産局がかご漁業共同管理、JICA専門家がCARIFICOの全体的な活動や成果について取り上げました。
これらの発表を通じて、広く域内の関係者へCARIFICOの成果を発信することができたとともに、CARIFICOに対する関係者からの貴重な意見を伺うことのできた良い機会になりました。特に、今回の議題にも含まれているように、漁村における社会経済、ガバナンスに向けた漁業共同管理、FADで獲られる回遊魚並びに定着性生物であるコンクガイ等の資源管理は、域内の重要な課題であり、CARIFICOからは正に時宜を得た情報発信をすることができました。
CARIFICOに関連する発表の題名は以下の通りです。発表の要旨は、GCFIのウェブサイトより閲覧、ダウンロードができます。
- Sidman他．カリブ地域におけるFAD漁業共同管理の強化に向けた可能性：Opportunities to Strengthen Co-Management of Caribbean Offshore FAD Fisheries
- Montes他．カリブ地域におけるFAD漁業の開発による漁民の生計向上への影響：Perceived Impact of FAD Development Programs on the Livelihoods of Caribbean Offshore Fishers
- Ishida他．カリブの漁業共同管理に向けた漁業挙動管理のルールと規制：Fisheries Co-management Rules and Regulations Toward Caribbean Fisheries Co-management Project
- Tamura他．カリブ地域のケル行政と漁民の共同による漁業管理プロジェクトの概要：Overview of Caribbean Fisheries Co-management Project
- Calliste他．グレナダにおけるFAD漁業共同管理の優良事例：Best Practices for the Co-Management of Offshore FAD fisheries in Grenada
- Horsford他．アンティグア島南部沿岸の漁業管理区域内外のかご漁業試験操業の調査結果：Preliminary Results of a Fishery Independent Trap Survey of Marine Reserve and Fishing Areas on the South Coast of Antigua
- Joseph他．セントルシアにおけるコンクガイの外径計測調査結果と管理の可能性：An Assessment of Conch Morphology on the Island of Saint Lucia and Possible Future Management Implications
アンティグア・バーブーダのかご漁業漁業共同管理について発表を行う水産局員のホスフォード氏（右）。
グレナダのFAD漁業共同管理について発表を行う水産局員でCARIFICOのカリスト氏（右）。
CARIFICOのこれまでの成果と今後の活動について発表を行う田村専門家。
CARIFICO対象国における漁業管理ルール・規則の設定とコンフリクト削減への寄与について発表を行った石田専門家。
セントルシアにおけるコンクガイ漁業共同管理ついて発表を行った水産局員のジョセフ氏のスライド。
CARIFICOで開発された漁業共同管理の可能性について発表を行ったフロリダ大学のシドマン教授のスライド。
CARIFICOを通じたFAD漁業の開発による漁民への社会経済的な影響について発表する、フロリダ大学のモンテス博士。