【第6号】AEON Indonesia社とのコラボレーション-ブランドニンジンの販売を開始しました!-
プロジェクトではトライアルプロジェクトの一つとして、日本で品種開発された食味の良いニンジン(新黒田ニンジン)の栽培を2017年より指導しています。
この度、トライアルプロジェクトでの経験を基にバンドン県のAl Ittifaq(アル・イティファック)協同組合が新黒田ニンジンの商業生産に乗り出し、AEONグループのインドネシア現地法人であるAEON Indonesia社との一年間の販売契約を結びました。同社で独占的に販売するブランドニンジンとして、3月23日には販売開始記念セレモニーも開催されました。
新黒田ニンジンはインドネシアで栽培される一般的な品種に比べてβカロテンやビタミンCを多く含み、栄養価に優れています。また、渋味が少なく生食でも甘さを感じるのが特徴です。
栄養価と食味に優れた品種ですが、病気にかかりやすいなど栽培の難しさもあります。Al Ittifaq協同組合では大きさや品質の揃った高品質なニンジンの栽培を目指し、プロジェクトの指導する日本式の栽培管理を遵守しています。また、安定供給を行うための計画的な作付け、鮮度を保つための最適なタイミングでの収穫と顧客の販売計画に沿った出荷、販売用袋の素材やデザインの検討など、プロジェクトを通じて大手スーパーマーケット等の近代市場での取り引きに必要なノウハウも獲得してきました。
また、Al Ittifaq協同組合では環境に優しい持続可能な農業を目指し、販売できない野菜も無駄にはしません。例えば、収穫したニンジンのうち規格外のものや葉の部分は彼らが飼育するヤギの餌となり、そのヤギの糞で堆肥を作ります。完熟した堆肥は畑にまかれ土の状態を改善し、元気な畑でまた高品質な新黒田ニンジンが作られています。
野菜の栽培には自信のあるAl Ittifaq協同組合ですが、鮮度保持など集出荷にあたってはまだ課題も抱えています。プロジェクトではこれからも新たなマーケットに挑戦する農家に継続的な支援をおこなっていきます。
AEONで販売される黒田ニンジン
左:芯までオレンジ色でベータカロテンの豊富な黒田ニンジン、左:芯が黄色くなってしまうローカルニンジン
葉っぱや規格外のニンジンなど販売できない部分はヤギの餌になります
黒田ニンジンの葉っぱを食べたヤギの糞から堆肥を作ります
販売開始を喜ぶAl Ittifaq農家グループ代表のイラワンさん(中央)と園芸総局の担当者
発売記念セレモニーでの様子