チリ・カトリカ大学でディプロマコース「津波減災技術」を実施しました。
津波対策について幅広く学ぶディプロマコース「津波減災技術」がチリ・カトリカ大学の国立総合自然災害管理研究センター(CIGIDEN)で2週間にわたって行われ、ドミニカ共和国やコロンビアなどの11カ国20人の参加者が履修証書を取得しました。
本研修は、2011年度から2015年度にかけて、日本とチリの研究者の間で実施された地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)「津波に強い地域づくり技術の向上に関する研究」の成果を、本プロジェクトを通じて、中南米カリブ諸国にも普及することを目指しています。コースには、SATREPSプロジェクトに関わってきた富田孝史・名古屋大学教授や対馬弘晃・気象庁気象研究所研究官、奥村与志弘・京都大学助教らも講師として参加し、東日本大震災における津波被害やその後のインフラ対策、気象庁の緊急地震速報や津波警報システム、住民の避難行動などの各テーマについて日本の知見と経験を共有しました。特に本コース中に、福島県沖を震源とする地震が起こり津波警報が出されたこともあって、日本の津波対応について、参加者から大きな関心が寄せられていました。
一方、日本人専門家らによる公開セミナー「東北地方の大津波から5年〜津波減災に向けた日本の経験」がカトリカ大学で開かれ、同大学の教授や研究者、学生ら50人が参加。富田専門家が「起こり得る地震・津波に対する国家レジリエンスの構築に関する研究提案」、対馬専門家が「リアルタイム津波浸水予測システム」と題して講演しました。
(文・写真、武田和代)
「津波減災技術」コースで講義する富田専門家。
修了式で履修証書を手にする中南米カリブ諸国の参加者たち。