第1回「コミュニティ防災・危機対応(CERT)・地域防災」研修を実施しました。
KIZUNAプロジェクトの一環として、チリの内務公安省国家緊急対策室(ONEMI)とともに、災害発生時における地域住民の初期対応力を養うため、第1回「コミュニティ防災・危機対応(CERT)・地域防災」研修を4月24日から5月5日まで、サンチアゴ近郊などで実施し、ONEMIの地方職員ら20人と、ペルーやボリビア、メキシコなど8カ国から招へいされた18人を含む計38人が参加しました。
本研修は主に、米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)の認定するCERT(Community Emergency Responce Team)講習を地域住民向けに実施できるインストラクターの養成を目指すもので、初回となる今年度は、FEMA本部から5人のインストラクターを招き、消火やけが人の救護や救援などに関する実習と、地域住民を組織化し、CERT講習会を開催する手順やファシリテーション術について学びました。ONEMIは、FEMAからCERTインストラクター養成に係る認証を受ける予定で、インストラクターを順次養成しながら、チリ国内で住民を対象にしたCERT講習を多く開催し、災害に対する「自助」文化の醸成を図ることを目指しています。
一方、地域防災に関するさまざまなアプローチを学ぶため、本研修中に国際セミナーも開催し、関西国際大学セーフティマネジメント研究所の村田昌彦所長が、日本の防災関連の法制度やその変遷、国や各自治体の防災への役割などについて述べ、さらに日本の各地域で取り組まれている自主防災組織の事例や、南海トラフ地震などに対する各自治体の計画や備えなどについて紹介。約60人の参加者からは、自助・共助・公助が一体となって取り組まれている日本の防災活動や、防災教育など、子どもを対象にしたプログラムの開発などについて大きな関心が寄せられていました。
(文 武田和代)
サンチアゴ近郊で開かれたCERT研修で、けが人救援の実習をする研修員ら。
サンチアゴ市内のホテルで開かれた国際セミナーで質疑応答に応える村田専門家。