第2回「津波:科学的基礎、脆弱性、危険度」研修が修了しました。
第三国研修「津波:科学的基礎、脆弱性、危険度」第二回目コースが5月29日から6月16日まで、実施機関であるバルパライソ・カトリカ大学で行われ、地震・津波観測や防災業務に従事する中米7ヵ国12人と、チリの津波観測・モニタリング責任機関の関係者等、合計21人が受講しました。
研修員らは、前半2週間は、地震や津波発生の仕組みや津波の危険度評価等について自国でオンライン講義を受けた後、最後の1週間をチリ国内で実習に従事。港湾都市バルパライソ市やビニャ・デル・マール市を訪問し、津波・高潮災害の歴史や痕跡について実地調査したほか、学校や住民向けの津波避難計画の取り組み等について聞き取りしました。
日本からは、気象庁地震火山部地震津波監視課の丸本大介専門家を講師として派遣し、気象庁の組織概要や東日本大震災発生時に気象庁が取った対応に関する説明のほか、その後の検証から、沖合の津波観測網をより充実させるなど、津波警報の改善にどのように取り組んでいるかについて講義しました。研修員達は、日本の津波観測網や津波警報発出方法に大きな関心を寄せ、自国の体制の改善や設備の向上について、活発に議論を交わしていました。
(文・写真 武田和代)
ビニャ・デル・マール市で津波避難経路を確認する研修員ら。
内務公安省国家緊急対策室で講演する丸本専門家。