2019年11月のプロジェクトニュース
1.4県合同進捗会議を開催しました。
11月27、28日にチャンパサック県パクセ市にて、プロジェクト対象南部4県の保健局、県病院、4県内11郡の郡保健局、郡病院の関係者約60名による合同進捗会議を行いました。第1日目は4県病院、南部4県のプロジェクト対象11郡病院、4県保健局によって活動の進捗が発表され、第2日目には、プロジェクトの進捗を発表し、残りのプロジェクト期間で行うべきプロジェクト活動(別添図)と各県がプロジェクト終了後も継続して実施すべき活動の抽出を行い、2020年の年間計画に合意しました。各県が継続する活動は、QHCモデルのサイクルが反映された周期的なものになります。
別添図
会議の様子
県ごとに計画立案を行いました
2.患者満足度調査自己評価のトライアルが実施されました。
チャンパサック、サラワン、セコン、アタプー県病院で順次、改訂された調査票を用いた患者満足度調査の自己評価が行われました。プロジェクトでは、各県の質委員会が行う調査結果のまとめ方や質問票の改訂作業を支援しています。
また、プロジェクトが対象とする11郡病院のうち一部では、QHCモデルの本格導入がはじまりました。11月に自己評価を実施しその結果が4県合同進捗会議で発表されました。サラワン県は、プロジェクトの対象である3郡病院以外にもQHCモデルの導入を開始しています。例えば、11月19~20日にはラコーンペン郡病院にてQHCモデルが紹介され、今後、自己評価等が開始される予定です。また、こうした展開にかかる活動は県保健局による予算措置で実施されています。
QHCモデルの周期的なサイクルが定着するに従って、各県質委員会の活動も活性化されています。4県病院は、病院の質管理の質基準を用いた自己評価を第7回自己評価時より導入し、各サービスの改善だけなく、病院のクオリティ・マネジメント改善のための取り組みを始めたほか、サラワン県病院では質委員会の議事録が作成されるようになり、アッタプー県病院では諸般の事情で停止していた質委員会の月例会議が8月より再開されるようになりました。
サラワン県病院で調査結果のまとめ方を協議している様子
3.情報マネジメント/組織開発の短期専門家の第2期派遣。
短期専門家(情報マネジメント/組織開発)は、11月22日から2週間の予定で、9~10月に実現した第1期派遣で素案を作り、導入のトライアルを図った病院のクオリティ・マネジメントにかかる意志決定に資する情報マネジメントの仕組みの修正と定着に従事します。現在、南部4県病院を訪問し、QHCモデルの運用に関わる情報マネジメントの標準作業手順書(SOP)の修正、自己評価記録フォームの使い方の練習を中心にコンサルテーションを実施中です。
チャンパサック県病院
サラワン県病院
4.チャンパサック県病院で5Sと危険予知トレーニング(KYT)の研修を実施しました
11月7日、13日、14日の3日間、プロジェクトが支援する改善活動の一環として医師、看護師を対象に、5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)と危険予知トレーニング(KYT)の研修を実施しました。本研修は同病院に派遣中の協力隊員の協力を得て行われ、研修後、各科はKYT責任者を指名し、毎日、KYTに取り組んでいます。また、1月までの重点課題を科ごとに話し合い、内科IIIは倉庫の5S、小児科は薬剤棚の5Sに取り組んでいます。内科Iでは収納ごとに責任者を指名して5Sを徹底し、新生児特定集中治療室(NICU)では物品の置き場所を自分たちで工夫して変更、特別科IIでは整頓を中心に活動するなど、研修の成果が現れています。
自己評価結果からの課題抽出、改善活動に繋げる仕組みの強化を図るため、第7回の自己評価後、各県2課題について改善のための能力強化にかかる研修実施等の支援をしてきました。9月にプロジェクトも被害を受けた洪水のため、実施に遅れが生じていましたが、来月上旬までにはすべての計画を完了できる見込みです。
県 | 活動内容 | 実施日時 |
---|---|---|
チャンパサック | 5S/KYT研修 | 11月7、13、14日 |
先進病院視察(質改善・セタティラート病院) | 11月20~21日 | |
セコン | SOP作成研修 | 11月4~6日 |
アタプー病院視察(5G1S) | 12月5~7日(予定) | |
サラワン | カンガルー・ケア研修 | 9月3日(洪水により中断) 12月9~11日(予定) |
感染予防管理研修 | 10月7~8日 | |
アタプー | 先進病院訪問(5S・VTE県病院) | 11月13~15日 |
早期必須新生児ケア研修 | 11月13~15日 |
5S・KYT研修
写真を見てどんな危険が潜んでいるか議論
研修参加者
5.QHCモデル紹介パンフレットが完成しました
プロジェクトが南部4県で導入支援をしているQHCモデルを紹介するパンフレット(英語版とラオス語版)が完成しました。