【2019年のニュース】2019年12月の活動ダイジェスト:公開セミナーと第4回合同調整委員会を開催
JICA運営指導調査とJST中間評価調査
2019年12月15日から21日、JICA運営指導調査団とJST中間評価調査団がブータンを訪れました。調査の目的は、プロジェクト期間の折り返しにあたり、ブータンと日本の共同研究の進捗状況、研究成果が具体的にブータン社会に貢献する見込み、投入した施設や機材の活用状況、能力強化の状況などを評価し、課題に応じて運営体制の改善点等を確認することです。両調査団は、ブータン側カウンターパート機関のインタビュー、研究施設や地震リスク評価をしているパイロットサイトを視察しました。
カウンターパートにインタビューするJICA石渡専門員
地震観測施設を視察するJST本藏研究主幹(右)と株本主査(中央)
公開実験をBBS教育番組が取材
2019年12月19日、内務文化省文化局(Department of Culture:DOC)が振動台実験と実物大民家の静的載荷実験を公開しました。振動台実験は、ティンプーで発生した地震を振動台装置で再現し、二つの石積造試験体(1/6スケールの補強有りと無し)を振動台上で揺らし、構造物の反応、補強効果、強度と崩壊傾向などデータを集めました。一方、静的載荷実験は、はじめから耐震補強した実物大の石積造民家を油圧ジャッキで押し、補強効果の検証と崩壊傾向を理解するデータを収集しました。ブータンのマスコミが実験の様子を取材し、現地テレビのニュースや新聞で報道されました。また、ブータン国営放送(BBS)の教育番組Royal Tutorial Projectが実験を詳しく取材し、高校生向け科学教育番組を作成しました。
BBSの取材に答える青木チーフアドバイザ
教育番組のエンディング撮影シーン
公開セミナーと第四回合同調整委員会
2019年12月20日、これまでの研究成果を共有するプロジェクト主催の公開セミナーをティンプー市内で開催しました。ブータンの防災に従事する省庁や王立ブータン大学、UNDPなど国際機関から計45名がセミナーに参加しました。経済省地質鉱山局(Department of Geology and Mines:DGM)は観測した地震の発生状況やヒマラヤ地帯の地震発生メカニズムなどを報告し、文化局(Department of Culture:DOC)は、組積造建築物の耐震化技術の開発状況を報告しました。同日午後、合同調整委員会(Joint Coordinating Committee:JCC)を開催し、JCCメンバーは科学的成果の社会実装へ向けた残り2年間の取り組みと今後の課題について協議しました。
公開セミナーの様子
JCCでの協議