リトル・ベビー・ハンドブック(LBH) マスタートレーナー養成セミナー開催

2023年9月25日、保健省と本プロジェクトは、リトル・ベビー・ハンドブック(LBH)のマスタートレーナー養成セミナーをハイブリッドで実施し、全国から約1800名の参加者が、対面、Zoom、YouTubeで参加しました。参加者は、全国の州保健局のほか、専門/職能団体の代表者(インドネシア小児科医協会(IDAI)、インドネシア助産師協会(IBI)、インドネシア看護師協会(PPNI)、インドネシア小児看護師協会(IPANI)、インドネシア助産教育協会(AIPKIND)、インドネシア栄養士協会(PERSAGI))等が招聘されました。そのほか、今後の新しい医療人材が学校で新しい知識を得て現場で即戦力として活躍できることが重要と考え、学校関係者へも働きかけ、インドネシア助産教育協会(AIPKIND)、インドネシア看護師教育機関協会(AIPNI)、インドネシア栄養高等教育機関協会(AIPGI)、助産師技術専門学校、看護師技術専門学校の代表者にも声をかけ、参加を促しました。

インドネシア保健省地域保健総局母子保健・栄養局妊婦・新生児保健及びMMR/IMR削減ワーキングチーム長のララ医師は、冒頭で「インドネシアは妊産婦死亡率(MMR)と乳児死亡率(IMR)が依然として深刻な問題になっている。早産及び低体重(LBW)が原因となっているIMRを減らすために、介入戦略が重要である」と述べ、本セミナー実施の目的を3点にまとめました。

本セミナーの講師陣は、オリエンテーション・パッケージを保健省及びプロジェクトと共に開発してきた新生児コンサルタントでもあるリナワティ小児科専門医・教授率いるRSUPN dr. Cipto Mangunkusumo(英語名:Dr. Cipto Mangunkusumo National Central Public Hospital。以下、国立チプト病院)チームが務めました。講師陣は、
総勢13名のスペシャリストによって構成され、新生児科医、成長発達小児科医、周産期看護師が、専門に関するトピックを担当しました。

講師陣には参加者から多くの質問が寄せられました。特に、初めてLBHを手に取った参加者からは、日本での知見・経験への質問から、今後、既存の報告アプリケーションとどのように併用、統合していくのかといった質問まで展開しました。ララ医師は「LBHは保健省や医師への報告のために開発されたツールではなく、あくまでも母親や家族が使用する家庭記録として使われることがねらいだ」と回答しました。そのほか、修正月齢の活用に関する実務的な質疑、バラードスコアの活用に関する質問、母乳や粉ミルク(HMF)、離乳食に関する質問など、現場でのケーススタディに基づいた質問もあがりました。

ララ医師は、今後は今回養成されたマスタートレーナーが中心となり、州および県市トレーナー養成セミナーを、10月から11月にかけて3地域で2日間ずつ実施していくこと、それらに参加したトレーナーは、各施設においてソーシャリゼーション及び質が確保されたトレーニングを実施し、母子手帳及びLBHの活用を支援することが期待されていると会を締めくくりました。

プロジェクトでは、引き続き各地域でのトレーニングをモニタリングするとともに、2024年度以降の保健省の活動にスムーズにつなげられるよう、支援していきます。

▲マスタートレーナー養成セミナーパッケージ一式。母子手帳、LBH、技術ガイドライン、マネジメントガイドラインほか、マスタートレーナー養成セミナー用説明教材、マスタートレーナー養成セミナー受講者用・講師用手引き 、養成セミナー後評価ツール(講師用)、視聴覚教材、オリエンテーションTOT講師用手引きを提供した。

▲マスタートレーナー養成セミナーパッケージ一式。母子手帳、LBH、技術ガイドライン、マネジメントガイドラインほか、マスタートレーナー養成セミナー用説明教材、マスタートレーナー養成セミナー受講者用・講師用手引き 、養成セミナー後評価ツール(講師用)、視聴覚教材、オリエンテーションTOT講師用手引きを提供した。

▲LBHマスタートレーナー養成セミナーでのオフライン参加者との記念撮影。

▲LBHマスタートレーナー養成セミナーでのオフライン参加者との記念撮影。

  ▲MMR、IMR、そしてLBH政策についてプレゼンテーションをするインドネシア保健省ララ医師。

▲MMR、IMR、そしてLBH政策についてプレゼンテーションをするインドネシア保健省ララ医師。

▲小さな赤ちゃん及びLBHの概要についてプレゼンテーションをするリナワティ・ローシスワトモ教授。

▲小さな赤ちゃん及びLBHの概要についてプレゼンテーションをするリナワティ・ローシスワトモ教授。