持続可能な炭化に関する啓発・技術研修(2024年9月)
JICA国家森林モニタリングシステム運用・REDD+パイロットプロジェクトのうち、中部アフリカ森林イニシアティブ(CAFI)資金のクウィル州REDD+統合プログラム(PIREDD Kwilu)と共同で実施されているREDD+ パイロットプロジェクトでは、成果を達成するための様々な活動の一つに、「村落住民の参加を通じ地域の自然環境を保護する」というものがあります。
プロジェクトは、アグロフォレストリーの管理で生ずる未利用バイオマス(作物の雑草、小枝、サバンナの草など)を炭化してブリケット(成形木炭)を作成し、これを持続的な木炭、草炭として利用しながら、森林減少・劣化要因を軽減できるようにすることを啓発し、技術普及するためのリーフレットを作成しました。また、2024年8月26日から9月3日のうち5日間で、モバイル炭化器を使った開放型炭化方式によって、木炭生産の盛んな地域のモデル的な村落において研修を行いました。
この研修は、地域で利用されていない、かつ森林伐採を伴わないバイオマス資源を炭化することで、環境にやさしいブリケットの製造を促進すること、そして、持続可能な資源管理の技術向上を目指して行われました。リーフレットの内容に沿って、アグロフォレストリーのなかで使われていないバイオマス資源の炭化と、乾期には可燃物となって火災リスクとなる未利用バイオマスを減らすことによる火災予防にも焦点を当てて進められました。
また、クウィル州の州都であるバンドゥンドゥ市では、州知事代行の参加のもと州の環境省など関係機関の職員らを対象にした実演研修も行いました。そのほか、クウィル州ブルングテリトワールのミクウィセクターでエコ木炭事業を営むSOBICO社を視察し、その際に近隣村落のコミュニティを対象に実演研修を行いました。
地域の関心は高く、これらの研修には合計934名が参加し、うち男性が464名、女性が470名でした。
モバイル炭化器概要説明
村民による炭焼き体験
ブリケット製造のための粉砕作業
村民が作ったブリケット
リーフレット配布
参加者集合写真(2村合同)
この度作成したリーフレットは、モバイル炭化器を使った開放型炭化方式による、地域で使われていないバイオマスを炭化する技術モデルを普及することを目指しており、環境・持続開発省の木質エネルギー技術職員のもと、内容を改良し、コンゴ民主共和国の公用語であるフランス語と、クウィル州で多く話されているキコンゴ語で作成されています。