生物多様性調査開始(2024年9月)
JICA国家森林モニタリングシステム運用・REDD+パイロットプロジェクトのうち、REDD+パイロットプロジェクトは、「中部アフリカ森林イニシアティブ(CAFI)クウィル州REDD+統合プログラム」との共同で実施されています。期待される成果の一つ、「クウィル州において、持続可能な森林管理の為のREDD+事業が実施される」に係る活動に、「パイロット地域の森林減少・劣化要因を特定し、導入するアプローチを検討する」というものがあります。
この活動の一環として、プロジェクトでは、REDD+を通してクウィル州の生物多様性の保全を促す要因を検討するための基礎調査を開始しました。
イディオファ・テリトワールに位置するマンガイ狩猟・カバ保護区という地域で、まず、対象地域及び周辺住民や、セクター内関係者を対象とした説明およびFPIC1を行い、今回の生物多様性調査について、地元の合意を得ました。次に、村に生息・生育する野生動植物の情報について、動物班と植物班の2グループに分かれて聞き取調査を行いました。
クウィル州を流れるカサイ川沿いに残る森林やサバンナ保全ゾーンを主な対象地とし、地元のコンサルタントとともにカメラトラップ2を設置しました。設置エリアを森林、サバンナ、森林とサバンナのモザイク状態に分け、合計11台のカメラトラップを設置しました。また、プロジェクトで行っているアグロフォレストリーサイトについても、オイルパーム林、アカシア林に分けて合計6台のカメラトラップを設置しました。
1 FPIC:Free Prior Informed Consentの略。自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意。
2 カメラトラップ:モーションセンサーや赤外線センサーを用いて自動で撮影する設置型のカメラのこと。
生物多様性調査ワークショップ会場の様子
生息・生育している野生動植物についての聞き取り調査の後、野生動植物の見られる場所を地図で可視化した(動物に小シール、植物に 大シールを貼付)
動物班の聞き取りの様子
森林内に設置したカメラ