第3回JCC及び機材のハンドオーバー 

2023年10月18日に、第3回合同調整委員会(Joint Coordinating Committee:JCC)を実施しました。会議は農業・畜産省の次官とJICAブータン事務所の山田所長による共同議長により進行され、JCCメンバーである国家土地委員会事務局(NLCS)、産業・通商・雇用省、インフラ・運輸省、公共事業省、農業・畜産省、エネルギー・天然資源省、デジタル庁にあたるGovTechの代表に対し、ブータンのプロジェクトダイレクターと2名のプロジェクトマネージャーによる案件の進捗や課題の報告がされました。

ほとんどの活動が50%以上進捗していることが確認でき、中でも地理情報標準に関する活動とICTサービスに関する活動、地形図作成に関する活動において、前回のJCCと比べ大きな成果が見られました。会議の中では、最終的なICTサービスの管理方法や、将来のブータンにおける国土空間データ基盤(NSDI)推進における会議運営に関する意見交換がありました。会議の中で、機材の引き渡しを実施しました。案件中に調達し、各活動で使用しているハードウェアやソフトウェアを国家土地委員会事務局(NLCS)に供与しました。セレモニーとして、JICAブータン事務所の山田所長からNLCSのサムテン部長に、供与機材の1つであるドローンが手渡されました。

NLCSは今回供与されたドローンに大きな期待を寄せています。ドローンに搭載されるカメラやセンサーでカバーできる範囲は狭いものの、高い空間分解能を有しているため、対象とする地形や地物、土地の状態を上空から詳細に確認することができるほか、ブータンでは、時期によっては雲の多い日が続くため、天候に左右されない地上付近で撮影を行うドローンを用いることで、任意のタイミングでデータを準備することが可能になります。また、急峻な地形で覆われ、アクセスが困難な地域のデータを任意の範囲で準備することも可能になります。現在、NLCSのドローンに関する経験や実績は限られていますが、経験を有する職員から未経験の職員への技術移転を行うなど、職員の能力強化を積極的に行っています。またNLCSは、将来的に、地形図作成のほかにも、他省庁からの要請に従い、ドローンを多方面で利活用したいとも考えています。例えば、衛星画像だけでは判読が難しい耕作地の状態を詳細に把握するために今回供与されたドローンを導入することも、利活用の一案として検討しています。

JCC及び機材引渡式の様子は、当日のテレビニュースや、翌日の新聞を通して、ブータン国内に広く伝えられました。今回多くの人々に、本プロジェクトの活動や地理空間情報活用の重要性について関心を高めてもらう、絶好の機会となりました。NLCSは今後、他省庁との連携を強化し、本プロジェクトの目標でもある「地理空間情報の横断的かつ効果的な活用の推進」が図れるよう、コンサルタントチームと共に取り組み、具体的な成果を上げたいと意気込んでいます。

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写真:プロジェクトマネージャーへのインタビュー(左)テレビ局の記事(中央)新聞記事(右)
写真提供 コンサルタントチーム