活動状況報告(2023年3月~5月)3

ネパール国「教育の質の向上支援プロジェクト」(通称IMENプロジェクト)は、小学1年生から3年生の児童の算数の基礎学力の向上を目指して、2019年から開始されました。以下に、2023年3月から5月に実施した活動を3回に分けてご紹介します。

2-3年生教師用指導書の改訂・配布

IMENプロジェクトでは小学1~3年生算数の児童用ワークブック(教科書)及び教師用指導書の開発支援を行ってきました。既に全国配布された1~3年生の児童用ワークブック及び1年生用の教師用指導書に加え、2~3年生の教師用指導書の改訂が完了したため、2023年5月に印刷・配布を開始しました。改訂された2~3年生の教師用指導書は全国の753地方政府(LG)に届けられ、既に一部のLGではLG主催の校長会等にて小学校に手渡されました。

学校モニタリングで先生方に教師用指導書の利便性をうかがったところ、「教師用指導書は各単元の目的や目標が明記されており、また単元に応じた最適な学習活動が提案されているため、授業案を作成するうえで大変参考となる」と話していました。プロジェクトでは、研修等を通じて、授業の目的と目標を明確にし、授業を計画的に進め、児童の学習状況を把握するために授業案の作成を推奨してきました。この教師用指導書は授業の質の向上に資する内容であるため、今後ネパール全土の先生方の手に渡り活用されることが望まれます。

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校長が教師用指導書を受け取る様子(バクタプル郡チャングナラヤンLG)

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教師用指導書の使用について説明を受ける様子(マホタリ郡ピパラLG)

学校モニタリングの実施

2023年5月から、プロジェクトで開発したモニタリング・フォームを用いて、プロジェクトで実施した一連の研修等の介入により、教員、保護者、児童に対してどのような変化が生じたのか、パイロットLGの学校において校長及び教員に対して聞き取り調査を行っています。

加えて、プロジェクトで開発した算数授業観察シート(Math Lesson Observation Sheet)を用いて小学1~3年生の授業も観察しています。授業観察は、教員職能開発(TPD)研修や校長研修で学んだ6つの観点「一貫性(Consistency)、正確性(Correctness)、関連性(Connection and relevance)、教授法(Methodology)、児童の学習プロセスへの参加度(Involvement)、思考力を伸ばす機会(Opportunity for thinking)」に留意しつつどのような特徴があるのかシートに記載していっています。

これらのモニタリング結果は追ってご紹介する予定です。

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学校モニタリング(タナフン郡バンディプルLG)

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授業研究(タナフン郡バンディプルLG)