キンシャサとマタディにおける疫学データ分析研修
2024年7月1~3日に首都キンシャサで、7月24~26日にコンゴセントラル州の州都マタディで、疫学データ分析研修を開催しました。この研修は今年の5月に大谷・河内短期専門家が教示した知見を活用し、より多くのカウンタパートの疫学データ分析能力を高めるために企画されました。このような背景から、5月の研修受講者が今回の研修講師となりました。
キンシャサでは、受講済みの疫学監視局職員が、同局の未受講の同僚17名、検査局の職員2名、国立生物医学研究所(INRB)職員2名に対して、3日間の疫学データ分析研修をおこないました。内容は5月と同様に、データ収集・分析の意義から、感染症疫学データの「アウトブレイク分析」「週次分析」「長期分析」の手法、データクリーニング、報告書の書き方におよびました。加えて、研修を終えた翌日の週次疫学データ分析会議で、研修での学びを実践しました。
マタディでは、30保健管区事務所の所長(MCZ)と疫学担当看護師(IS)の計60名を対象に、5月の研修を受講した州保健局保健情報課の職員が、2日間にわたり疫学データ分析の手法を教えました。現場に近い受講者は、このような研修を受ける機会が少ないため、疫学データの収集や整備、分析に関する基礎知識、疫学データ分析会議の運営法について、参加者の疑問点を踏まえ、理論と演習を通じて丁寧に説明しました。加えて、研修を終えた翌日には、即時報告システム(EWARS)活用講座を開催し、即時報告、個別報告、グラフ作成の方法などについて、疫学監視局の情報管理官が説明および実習を通して教示しました。
キンシャサでの研修、マタディでの研修ともに、講師陣が研修資料を事前にしっかり見直し、必要に応じて変更(例えば、保健管区の実際のデータでの説明を追記)し、熱心に講義しました。受講者も積極的に議論や演習に取り組み、関係者の疫学データ分析能力を強化する、とても有意義な機会となりました。
今後、疫学監視局、州保健局、保健管区事務所でのそれぞれの週次疫学データ分析会議において、より有用な議論が繰り広げられ、その結果が報告、還元されることが期待されます。
キンシャサでの研修:グラフの解釈に関する講義
キンシャサでの研修:データ分析と解釈の実習(グループワーク)
キンシャサでの研修:集合写真
マタディでの研修:データ管理についての説明
マタディでの研修:集合写真
マタディでの研修:州保健局講師陣と疫学監視局職員による一日の振り返り
マタディでのEWARS研修:疫学担当看護師の理解を確認しながらの対話型の講義