SENAVE研究所における残留農薬一斉分析法の研修
SENAVE研究所において、ガスクロマトグラフ質量分析装置(以下、GC/MSMSという。)を用いた残留農薬一斉分析法の導入に向けた研修が2022年8月29日(月)から9月20日(火)にかけて行われました。
研修は、神戸検疫所輸入食品・検疫検査センターから田中優専門家を講師に迎え、化学分析課残留農薬・カビ毒検査室の検査官6名が参加して行われ、6項目の検査が可能になり8項目を追加するためのノウハウが教示されました。また、検査の精度管理方法とGC/MSMSの日常メンテナンス方法が改善されて、新たに4種類の標準手順書やマニュアル、管理簿が作成され、3種類の文書がリバイスされました。
技術的な課題として、消耗部品が不足するなど在庫管理の不十分さや、GC/MSMSに不調を来さないよう分析データを日々評価してメンテナンスを徹底するべきことなどがアドバイスされ、組織的課題としては、検査方法を確立するために一部の消耗品は選定が必要でありその比較検討とそれに基づく適切な調達が肝要であること、また、検査の適正さの証拠となる検査結果報告書や日常点検簿等の記録を適切に点検することなどが指摘されました。
SENAVE研究所のJadiyi Torales所長は、この研修によってGC/MSMSによる残留農薬検査の能力が向上できたことは大変有意義であり、もう一つの目的であった検査室の業務管理の向上についても田中専門家による推奨事項を踏まえて更に能力向上を図りたいとしています。
(略語)
SENAVE:国立植物・種子品質・防疫機構
研修風景
作成された文書例
成果報告会
研修関係者