短期派遣専門家による残留農薬一斉分析法の研修
SENAVE研究所において残留農薬一斉分析法の導入に向けた研修が2022年11月7日(月)から11月22日(火)にかけて行われました。
今回は、9月に実施したガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MSMS)を用いた分析研修に続き、LC/MSMS液体クロマトグラフ質量分析装置(以下、LC/MSMSという。)による分析法の確立を目指し、横浜検疫所の田中善彦専門家を講師に化学分析課残留農薬・カビ毒検査室の検査官6名が参加して行われました。その成果として、バナナについては4項目、ゴマについては1項目の新たな農薬を追加できました。また、検量線の相関と一致性の捉え方、分析機器のPCソフトの効果的な使用方法、日常行うべき機器のメンテナンス方法の指導も行われ、継続な使用に必要となる5種類のマニュアル類が新たに作成されました。
現状のルーチン検査業務の課題と改善策も具体的に見出され、最終報告会において成果と共に、今後の更なる能力向上を見据えた次の改善事項も発表されました。
・分析機器のトラブルに直ちに対応できるよう、常に適切な消耗部品の在庫を確保すること。
・分析機器の日常におけるメンテナンス頻度を増やすこと。
・コンタミネーション防止の観点から器具の洗浄に超純水を加えること。
・知りえた技術や知識は、速やかに伝達講習し、使用マニュアルや標準作業書に落とし込んで検査官の技術の共有を最大限図ること。
など
INOPARプロジェクトでは、これまでに5人の短期専門家を招聘しSENAVE研究所と共に研修を実施してきましたが今回で最後になります。SENAVE研究所では、これまでの専門家のアドバイスを踏まえ、更に検査能力の向上を図りたいとしています。
(略語)
SENAVE:国立植物・種子品質・防疫機構
研修風景
研修風景
Rivas技術総局長から感謝状の贈呈
研修関係者