75.Monthlyハイライト(2023年7月)

6月26日から7月6日に実施されたMaWaSU2最終回となる第4回本邦研修が無事に終了しました(「e. Output4:本邦研修(計画&財政)」参照)。また、5月23日から6月8日に実施された終了時評価の提言の実践など、プロジェクト目標達成に向けて活動を促進しました(「b. Output2:ボリカムサイ県にて水道公社と保健所の連携による水道教室開催」、「d. Output3:技術基準MPWT大臣決裁完了」参照)。

7月の主なプロジェクト活動は以下のとおりです。

a. Output1:都県水道戦略作成支援

都県水道戦略のドラフトが提出され始めました。ドラフトの提出は7月末締め切りとしていましたが、数県からすでに提出されており、今後は確認作業が増えていきます。提出された都県水道戦略のドラフトは、確認ポイントをしぼりDWS主体で確認できるように支援しています。都県水道戦略に関する各県とのやり取りは、他活動同様にSNSを活用しています。進捗報告やドラフト提出等についてやり取りのある県がある一方、音沙汰のない県もあります。今後は各県を訪問し、提出されたドラフトをもとに現地でのフォローを予定しています。それぞれの県の状況を踏まえ、最適なフォローができるよう、DWSと協議して進めていきます。

b. Output2:ボリカムサイ県にて水道公社と保健所の連携による水道教室開催

パイロットプロジェクト第1バッチを実施したボリカムサイ県パクサン郡ポンサイタイ村にて、7月17日に地域住民の水道利用促進を目的とした水道教室をボリカムサイ水道公社とパクサン郡保健所が連携して開催しました。保健所からは消毒していない水のリスク、水道公社からは水道の安全性、水道料金や手続きについて住民への説明がなされました。保健所が参加した初めての試みでしたが、住民に水道水が安全であることを理解してもらい、水道普及の向上及び衛生環境の改善に向けた取り組みとなりました。

c. Output2:パイロットプロジェクト1.5バッチ・サワンナケート県フォローアップ

7月12日~13日にパイロットプロジェクト1.5バッチ実施県のサワンナケート県・セポン郡デンサワン給水区域を訪問しました。自動薬注装置設置後、給水区域内で想定された残留塩素濃度が確認できていないことが課題となっています。2011年に水道施設が整備された当初は管末端の停滞水を捨てるための排水施設が設置されたようですが、道路改良工事などにより機能していないこともあり、定期的な排水によって給水区域内の残留塩素を確保する試みを支援することにしました。給水区域内に合計5ヵ所の排水施設を設置することとし、現地訪問までに2ヵ所の排水施設が完成していました。そのうちの1ヵ所で装置の設置方法や排水方法を指導しました。排水施設の設置においては、パイロットプロジェクト第2バッチで使用している工事写真アルバム作成ガイドラインを紹介し施工管理の面からも能力向上を支援しています。

d. Output2:パイロットプロジェクト1.5バッチ事後評価

7月26日~27日にパイロットプロジェクト1.5バッチを実施した3県(シェンクアン県、サワンナケート県、サラワン県)がサラワン県に集合し、事後評価を実施しました。事後評価は一般的にプロジェクト終了3年後を目途に実施されますが、MaWaSU2のプロジェクト期間を考慮してプロジェクト終了1年後に実施しました。そのため、上位目標に向かう状況とプロジェクト目標達成1年後の現状を確認しました。パイロットプロジェクト1.5バッチはJICAより新型コロナ・ウイルス感染症対策における本邦製品・技術の活用のために別途資金供与された活動で、MaWaSU2ではラオスで民間連携事業の実績のある(株)トーケミの自動薬注装置を選択しました。上位目標の確認事項(指標)は新型コロナ・ウイルス感染者数と水質検査結果になります。3県からプロジェクト終了(2022年6月)以降の状況を含めた報告があり、上位目標が概ね達成されていることが確認できました。また、各県からの報告では給水区域内の定められた測定ポイントで定期的に水圧、水質が検査されていること、自動薬注装置を定期的に清掃していること、自動薬注装置設置により浄水過程の使用薬品量が減少し費用削減に寄与したことなどが紹介されました。

e. Output3:技術基準MPWT大臣決裁完了

技術基準ガイドラインは、7月3日付けでMPWT大臣の承認決裁がなされました。今後は全国の水道関係者へ周知するための全国説明会の準備、実務担当者へのガイドラインの内容理解を図るための説明会の準備を進めます。

f. Output4:本邦研修(計画&財政)

先月に引き続き、計画(SC3)と財政(SC4)部門の本邦研修がJICA横浜にて実施され、7月6日の最終日に研修員からラオス帰国後のアクションプランの発表がなされた後、無事に修了しました。水道普及率の向上を目標に掲げる一方、全国的に水道事業の経営状況が厳しいラオスにとって、今回の研修が水道料金改定など水道事業基盤の強化を図るきっかけになることを期待しています。
JICA横浜のHPにも本研修が掲載されました。
https://www.jica.go.jp/domestic/yokohama/information/topics/2023/1515251_14656.html

ボリカムサイ県ポンサイタイ村での水道教室の様子

ボリカムサイ県ポンサイタイ村での水道教室の様子

ボリカムサイ県ポンサイタイ村での水道教室集合写真

ボリカムサイ県ポンサイタイ村での水道教室集合写真

サワンナケート県水道公社と定期排水についてOJT

サワンナケート県水道公社と定期排水についてOJT

デンサワン給水区域内に設置された排水施設で排水方法を指導する石川専門家(左)

デンサワン給水区域内に設置された排水施設で排水方法を指導する石川専門家(左)

パイロットプロジェクト1.5バッチ3県合同事後評価の様子

パイロットプロジェクト1.5バッチ3県合同事後評価の様子

パイロットプロジェクト1.5バッチ3県合同事後評価集合写真

パイロットプロジェクト1.5バッチ3県合同事後評価集合写真

パイロットプロジェクト1.5バッチ3県合同事後評価現地訪問

パイロットプロジェクト1.5バッチ3県合同事後評価現地訪問

パイロットプロジェクト1.5バッチ3県合同事後評価現地訪問集合写真

パイロットプロジェクト1.5バッチ3県合同事後評価現地訪問集合写真

本邦研修(横浜市水道局を訪問)

本邦研修(横浜市水道局を訪問)

本邦研修(西谷浄水場再整備事業の現場訪問)

本邦研修(西谷浄水場再整備事業の現場訪問)

本邦研修(涵養のしくみを学ぶ研修生)

本邦研修(涵養のしくみを学ぶ研修生)

本邦研修(修了式の様子)

本邦研修(修了式の様子)