戦略的幹部養成研修 第1回クラス対象「産業発展における国の役割」講義実施
戦略的幹部養成研修は、ホーチミン国家政治学院(HCMA)にて、次期を担う指導者候補者層である中央および地方の党・国会・政府機関に所属する副大臣級から局長級らの幹部らを対象として2024年7月に開講しました。
戦略的幹部養成研修は各回約50名を対象に6週間に渡り泊まり込みで計4回実施される予定で、国内の指導者や著名な専門家による講義が提供される他、外国からも講師が招かれています。
日本からは当プロジェクトを通じて協力を行っており、ベトナムからは「半導体、DX、AIを事例とした産業開発」をテーマとした講義の要請がありました。これを受け、当該研修第1回クラスに対し、7月10日に田中繁広経済産業省元経済産業審議官、NEC副社長より「産業発展における国の役割~日本の経験から学べること~」をテーマとし、事例として半導体産業に触れつつも「時代とともに新しい産業育成のニーズが生まれる一方、どの産業を育成するにあたっても国が果たすべき役割は一貫して不変である」というキーメッセージを踏まえて講義を実施いただきました。
また、田中氏は、産業発展の目的、日本の産業発展における国や自治体が果たした役割と民間との役割分担、他国と日本の比較を含む産業政策の紹介の他、
昨今の潮流を踏まえた両国共通の今後の課題について俯瞰的に網羅されました。
参加者からは、補助金の支給条件など国として果たすべき具体的な支援政策の内容についての質問や、ベトナム政府の財政力や経済レベルを鑑み、どういった産業に注力すべきかといったアドバイスをもとめる声が挙げられていました。
また、講義終了後のアンケートにおいては、多くの参加者より、官と民の役割の考え方や、産業の発展度合いに応じて取るべき国の役割、政策の考え方が参考になったとの意見が上がりました。
(左:田中氏、右:HCMAバック筆頭副学院長による講師紹介)