リベラルアーツ教育ワークショップを開催

E-JUSTリベラルアーツ・カルチャーセンター(LACC)では、2023年11月と2024年3月に、本邦協力大学の教員等を招いたリベラルアーツ教育に関するワークショップを2回開催しました。2回のワークショップには、LACCの教員と語学講師を中心に多くの関係者が参加しました。

第1回 ※1 は、11月21‐22日の2日間に、エジプト高等教育省(MoHE)のアドバイザーで元E-JUSTプロジェクトのアカデミックアドバイザーの寺野摩弓先生を招聘して開催されました。新任の教員を中心に、LACC教員たちは、リベラルアーツ教育の歴史と基礎理論、学問分野の区分などについて学ぶとともに、リベラルアーツ教育の意義とE-JUSTにおけるリベラルアーツ教育の導入の経緯について再確認しました。教員たちは議論も活発に行い、リベラルアーツ教育のE-JUSTでの位置づけと意義、リベラルアーツ教育の学内での展開と課題について意見を交わしました。

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寺野MoHEアドバイザーの講義の内容について質問するE-JUST関係者

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LACCによるリベラルアーツ教育の実施状況について寺野MoHEアドバイザーに共有し協議するLACC教員たち

第2回は、3月18‐20日の3日間にわたり、早稲田大学国際教養学部の森田典正先生を迎えて開催されました。初日の3月18日にはベトナムの日越大学(Vietnam Japan University; VJU※2)とオンライン接続し、E-JUSTアムル・アドリ学長とアデル・アルセンLACCセンタ-長が開会の挨拶を述べた後、日越大学の古田元夫学長より同学におけるリベラルアーツ教育の導入と学内での取り組みについて紹介されました。E-JUST教員たちは同学のリベラルアーツ教育に関する古田学長の発表に聞き入り、質疑応答では熱心に質問をしていました。


※1 第1回開催の様子

※2 Vietnam-Japan University
https://vju.ac.vn/ja/%e6%97%a5%e8%b6%8a%e5%a4%a7%e5%ad%a6/

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古田学長の発表内容に質問するLACC教員

日越大学との国際セッションの後は、寺野MoHEアドバイザーも加わって第1回ワークショップでの成果を振り返り、続けて森田先生より欧米の大学でのリベラルアーツ教育の様相と世界的なリベラルアーツ教育の傾向、リベラルアーツ教育の実践的な手法、学際的学習とリベラルアーツについての講義が実施されました。ディスカッションセッションでは、リベラルアーツ教育の批判的考察と科学技術・ビジネスへの応用といった点を意識しつつ、LACCの教員・語学講師がE-JUSTでのリベラルアーツ教育の方向性と展開における課題について率直に議論し、その解決策や、E-JUSTにおけるリベラルアーツ教育の拡大の可能性について意見が交わされました。

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森田教授の講義にききいるLACC教員たち

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LACCが提供する教養科目の授業視察。E-JUST学生たちのLACC科目に対する率直な意見は大いに参考になった。

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E-JUST必修科目の構成とカリキュラムについて森田教授の意見を求めるLACC教員たち

これら一連のワークショップにおいてLACCの教員は、専門分野の科目とは異なる、リベラルアーツ教育の概念および目的と共に、E-JUSTのリベラルアーツ教育の発展過程と独自のコンセプトについて改めて認識しました。次の段階としてLACCはそれらをE-JUST内で共有し、E-JUSTリベラルアーツ教育の今後の展開についてE-JUST全体で議論していくことに前向きです。

このように本プロジェクトでは、E-JUSTが本邦協力大学の協力を得ながら、自立的にエジプト社会に適応した独自のリベラルアーツ教育を実施し、思考力・創造力をもった人材を育てるエジプトのトップレベルの大学として発展することを支援しています。