【コンゴ民】ムエンベINRB所長らカウンターパートの日本渡航(コンゴ民主共和国)

コンゴ民主共和国(以下、「コンゴ民」)では、エボラウイルスやエムポックスウイルス(旧称「サル痘」)などのウイルス性人獣共通感染症の流行により、国民の命と健康が脅かされる状況が現在も続いています。しかし、コンゴ民の感染症検査診断、サーベイランス、またアウトブレイク対応能力は高いとは言えません。これらに対応するために、JICAは無償資金協力「国立生物医学研究所(INRB)拡充計画」(2020年2月完工)で、バイオセーフティレベル2、3を完備した新検査棟、研修センター、臨床試験センターの整備を行いました。また、「アフリカにおけるウイルス性人獣共通感染症の疫学に関する研究」(以下、「プロジェクト」)では、INRBとの共同研究の他、現在コンゴ民で実施中の「感染症疫学サーベイランスシステム強化プロジェクト」と協力し、INRBの検査診断能力向上および施設活用や安全管理強化のための技術支援も行っています。

プロジェクトでは、それらのINRBにおける活動に加え、コンゴ民と日本の協力関係強化と情報共有促進のため、今年の9月にINRBのムエンベ所長および他2名のカウンターパートを日本に約1週間招待しました。日本滞在中には、日本側プロジェクト実施代表機関の北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所(以下、「北大人獣研」)をはじめ、国立感染症研究所および北海道札幌市保健福祉局を視察し、最新の研究施設、設備、研究成果ならびに日本における感染症対策に触れていただくとともに、関係者との意見交換を行いました。

また3名のカウンターパートは北大の大学院(国際感染症学院)で講義を行い、コンゴ民やアフリカの人獣共通感染症の最新動向や予防対策、治療法などの様子を学生に伝えていただきました。特にINRBムエンベ所長は野口英世アフリカ賞(2019年)やWHO Global Leaders Award(2023年)を受賞している世界的なウイルス研究者であり、エボラウイルス発見当初からの努力やその制圧に対する熱意が治療薬開発に繋がった事が伝わる、大変貴重な講義内容でした。なお講義はオンラインで長崎大学やJICA等にも配信され、およそ250名の参加者が対面・オンラインで聴講しました。

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北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所

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北大人獣研内視察

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北大人獣研内視察

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北大国際感染症学院での特別講義

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北大人獣研の喜田先生、コンゴ民留学生との記念撮影

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北海道札幌市保健福祉局訪問

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北海道札幌市保健福祉局意見交換

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国立感染症研究所視察

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国立感染症研究所にて最先端機材に見入るカウンターパート

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JICA本部訪問

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カウンターパートは「食」への好奇心も旺盛、特に「しゃぶしゃぶ」がお気に入り