【2022年】カリキュラムへの統合に向けて、オープンディスカッションを開催
私たちのプロジェクトの活動には、「1-7. ファブラボを電気通信学科のカリキュラムに組み入れる」があり、さらに期待される成果の2つめには、「ファブラボを通じて、大学内の学際横断的なラボベース研究連携・連動が促進される」と書かれています。
オミクロン株のまん延による陽性者急増が沈静化し、プロジェクトの短期専門家が着任したのを受け、4月27日、長期専門家の活動拠点も、首都から王立ブータン大学科学技術単科大学(CST)があるプンツォリンに移りました。
さまざまな活動が本格的にはじまる中、大野勉短期専門家の今回の業務には、1)デジタルファブリケーションの大学カリキュラムへの統合検討と、2)電気通信学科以外の教員・学生によるプロトタイプ製作や器材製作の進め方の検討が含まれます。ティンプーで「ファブ・アカデミー」を受講している4人の教員へのヒアリングを踏まえてCST入りした大野専門家は、着任後ただちに各学科教員への個別ヒアリングを開始しました。
電気通信学科については、新設される「ファブラボCST」の運用・管理部門となることから、個別ヒアリングではなく、学科の全教職員が一堂に会した場で、全員から話を聞くことになりました。
このオープンディスカッションは、5月6日(金)午後、大学管理棟最上階の会議室で開催されました。
大野専門家からは、近隣のプンツォリン市で別途JICAが無償資金協力で供与を予定しているゴミ収集車に各種センサーを内蔵したデータロガーを搭載し、収集車が市内を走り回って各所で環境データを収集する仕組みの提案や、四年生の卒業制作の質的向上のためにファブラボの施設を活用することなどが提案されました。
出席した電気通信学科の教職員からは、「プロトタイプ製作は今でも行われているが、仕上げが課題」「電気通信学科だけではなく、建築学科や制御工学科もカリキュラムでの導入も必要」「電子回路製作での活用だけでなく、3Dプリンティングのような技術をどう活用するのかも考える必要がある」といった意見が出されました。
これらのフィードバックも踏まえて、大野専門家は今後、5月末までのCSTでの滞在期間中に、大学に対する提言をまとめる予定です。
オープンディスカッションの参加者(写真/山田浩司)
チェキ・ドルジ学長による冒頭挨拶(写真/山田浩司)
電子工作の実例を紹介する大野専門家(写真/山田浩司)
ファブ・アカデミーでのカリキュラムの概要を紹介する大野専門家(写真/山田浩司)
電気通信学科教員からの発言(写真/Karma Kelzang Eudon)