建築主向けに建築基準や条例に関するオリエンテーションを実施しました!
NBCCプロジェクトでは、既存のBCWP(建築許可実務手順書:Building Construction Working Procedure)を改訂して新BCWPを作成しており、カトマンドゥ盆地内の7つのパイロット自治体で導入を進めています。本プロジェクトのカウンターパートである都市開発建設局(Department of Urban Development and Building Construction, DUDBC)は将来的にネパール全国での導入を目指しています。
今般改訂を加えた点の1つに、建築主に建築基準と関連条例の確実な導入をしてもらうために「建築主は、建築基準(National Building Code: NBC)や条例(By-Laws)(*1)の内容、許可手続きに関するオリエンテーションに参加する」ことの義務付けがあります。
このオリエンテーションの初回が、2024年7月1日にパイロット自治体のTokhaで、8月6日にDakshinkaliで実施されました。これから建築許可申請を行う建築主に加え、初回ということもあって一部すでに許可申請を提出している建築主の参加を得ました。Tokhaでは32名、Dakshinkaliでは11名の参加がありました。市長(Mayor)をはじめ主任行政官(Chief Administrative Officer, CAO)の挨拶で始まるという熱の入れようでした。初回なのでプロジェクトチームも参加しましたが、今後は自治体で独自に実施されていくことになります。
オリエンテーションでの説明では、過去の地震被害の写真などを用いて参加者の興味を引いたあと、なぜ建築基準や条例を遵守しなければならないかの説明、改訂されたBCWPの説明、建築許可を得るまでの手順の説明、工事において留意すべき点の説明などを行いました。プロジェクトで制作した広報ビデオも上映されました。
https://www.youtube.com/watch?v=Nynt8twO_FU
(改訂されたBCWPを説明する3Dアニメーションビデオ)
参加者からは、「もっと早くオリエンテーションを受けたかった」、「今日のプレゼンテーション資料をWebにアップロードしてほしい」、「もっと工事の技術的な話が聞きたい」、「専門用語の解説をしてほしい」などの意見や、自治体の条例やインフラ整備に関する質問があり、意見交換が行われました。
2時間あまりのオリエンテーションでしたが、建築主は皆、真剣に説明を聞き、活発な意見交換もあり、大変有意義な会となりました。自治体は確かな手ごたえを得て、今後の実施に自信を得たようで、定期開催とするとのことでした。
(*1)建築基準は全国統一ですが、条例は自治体によって違いがある場合があります。
市長による開会の挨拶(Tokha)
プレゼンテーションを聞く参加者(Tokha)
プレゼンテーションを聞く参加者(Dakshinkali)