産前健診での母子健康手帳の使用が開始されました!(2023年5月)

母子健康手帳を使っての母子保健・栄養サービスの提供が、ガザ州では4月20日から、ニアッサ州では5月3日から開始しました。保健従事者は、産前健診のために保健施設に訪れた全ての妊婦に配布することになっています。産前健診で必要な問診、検査、測定をしながら、母子健康手帳に結果を記録しつつ、掲載されている情報を効率的に利用し、妊娠中に必要な栄養・健康教育を行い、必要に応じてカウンセリングを行います。産前健診で手帳をもらった妊婦は、その手帳を保持し、常に携行しつつ、出産、産後健診、子どもの発育健診・予防接種へと移行し、同じ手帳に継続的に検査や測定結果が記録されていきます。それぞれのステージにおける関連情報にはイラストが載せてあり、文字の読めない妊婦や母親に配慮してあります。また、継続ケアが行われているかが一目でわかるページやコミュニティヘルスワーカーとの連絡ページもあり、連携促進による切れ目のないサービス提供を目指しています。妊娠、出産、小児ケアのステージが移行していくことで、これまで使用されてきた妊婦記録シート、新生児評価シート、子ども健康カードなどの記録ツールは徐々に母子健康手帳に置き換わっていくことになります。
ニアッサ州ムエンベ郡において妊婦への母子健康手帳配布開始を前に、ニアッサ州知事、JICA所長代理、ムエンベ郡保健局長出席のもと、4月25日に開始式が行われました。ニアッサ州知事エリナ・マッセンゲレ女史は、新しく刷り上がった母子健康手帳が母と子の健康増進に貢献することを期待しつつ、産前健診に訪れた妊婦の一人に手帳を手渡しました。この様子は、全国ネットのテレビ、ラジオ、新聞で報道され、ニアッサ州ムエンベ郡におけるProNUTの取り組みが全国に知らされました。また、保健省Facebookでも当イベントのニュースが流されました。
5月5日には、天池母子保健専門家と保健省栄養課技官カンディド氏がテレビニュース番組に出演し、モザンビークの母子栄養の状況、母子健康手帳についての説明を行いました。
プロジェクト活動がようやく軌道に乗ってきました。

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ニアッサ州ムエンベ郡にて行われた母子健康手帳を使った産前健診の開始式にて妊婦に手帳を手渡す州知事(4月25日)

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テレビニュース番組に出演し、モザンビークの母子栄養の状況や母子健康手帳について説明を行う天池母子保健専門家(左)と栄養課技官(右)(5月5日)

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ガザ州シブト郡の保健施設にて産前健診を受ける妊婦と母子健康手帳について説明を行う母子保健看護師(5月18日)

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ニアッサ州ムエンベ郡の保健施設にて産前健診の順番を待っている妊婦に母子健康手帳の説明を行う母子保健看護師(5月4日)