機材管理を強化!第4回モニタリング&サポーティブスーパービジョン(M&SS)活動レポート(2024年9月)
2024年9月2日~6日(ニアッサ州)、9月11日~20日(ガザ州)で、第4回モニタリング&サポーティブスーパービジョン(以下、M&SS)を実施しました。今回の活動では、保健施設における機材の適正な使用と管理強化に注力しました。プロジェクトではM&SSを開始した当初から、この分野のフォローアップを行っています。2023年11月の第1回M&SS時には体重計のゼロ点調整の指導および機材状況の確認をスーパーバイザー向けオリエンテーションに組み込み、第2回M&SS時にゼロ点調整に必要な道具を供与・使用指導をしたことにより、これらの技術はかなり向上していたものの、第3回M&SSで再度、機材状況(組み立て・メンテナンス)の問題が観察されました。そのため2024年8月(第4回M&SS前)から機材管理指導およびそのための人材育成に特化したモニタリング訪問をガザ州全施設対象に実施し、ニアッサ州では9月に通常の第4回M&SSと並行して機材管理指導と人材育成を実施しました。体重計などの組み立て、修理や清掃に関しては、多くの州・郡のスーパーバイザーが技術を習得し、機材管理と維持の能力向上が見られました。また、コミュニティヘルスワーカー(以下、APS)のコミュニティでの活動も活発に行われている中、前回のM&SSに引き続き以下のようなグッドプラクティスの報告も上がっており、APSが創意工夫しながら、地域住民と協力して課題の克服に取り組んでいることを確認しました。
- 家庭訪問と母親向け指導: 母親が保健相談やワクチン接種を忘れないように家庭訪問を行ったことで、母親の保健相談出席率が向上し、子どものワクチン接種が予定通り行われるようになった。
- グループ形成とデジタル連絡網活用: 妊婦や授乳中の女性、HIV陽性者を対象にWhatsAppグループを作成し、健診日や薬の服用スケジュールをリマインドするようにしたことで、診察や医療サービスへの参加率が向上し、母子の栄養状態や健康が改善され、住民全体で情報共有が進んだ。
- 劇を使った衛生教育: 演劇を通じてトイレ建設の重要性を啓発したことで、家族がトイレ建設を開始し、衛生環境の改善が見られた。
今回のM&SSを通して、州・郡のスーパーバイザーの機材管理能力が強化され、州や郡レベルで機材トラブルの予防や迅速な対応が可能となったこと、また、保健医療従事者やAPSが保健施設とコミュニティにおいて母子健康手帳を活用した一貫した継続ケアを提供できている様子を確認できました。約10か月のM&SSの中で、このサービスモデルが現場に着実に定着している様子が見受けられ、現地の人たちの力で持続できる体制が確立しつつあります。彼ら自身による引き続きのサービスモデルの実施・継続をフォローアップしていきます。
スーパーバイザー向けに体重計等の修理方法研修を行った
数人の郡スーパーバイザーは体重計等の修理を問題なくできるようになった
保健施設での母子健康手帳を使用した保健教育セッション
APSによるフリップチャートを活用したコミュニティでの保健教育
APSが村の母親を対象にクッキングデモンストレーションをしている様子
ガザ州シブト郡でのスーパーバイザー向けオリエンテーション