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プロジェクトニュース 第39号

私はケニア西部にあるビヒガカウンティにて、コミュニティ開発隊員として農業事務所に所属しています。
主な活動として地元小学校での農業クラブ(4Kクラブ)運営支援、また管轄地域内の農民グループの支援を行っています。先代隊員の多くが4Kクラブにて子ども達とSHEPアプローチを使った農業活動を行っていたと聞いており、元々SHEPに興味があったタイミングで今回の研修への参加のお話をいただきました。自分が小学生達に何ができるのか、何をしていけばいいのか、また地元の農家の方々の支援についても何ができるのか考えていたので研修への参加はありがたいお話でした。

今回私が参加したのはウガンダとの国境に位置するブシア(Busia)での研修で、6つのサブカウンティから農業普及員のオフィサー約30人が参加しました。老若男女問わず参加しており、中には過去にもSHEP研修に参加したというベテランオフィサーもいました。
ケニア人の中に日本人参加者1人という研修への参加は初めてでしたが、驚いたのがみんなが自分の意見をしっかり言うことでした。司会者が参加者へ意見を求めるとシーンとした空気がなく上司部下・男女関係なく自分の意見を発言しており、その意見に対してまた意見を言うというのが続いていました。

4日間の研修はとても楽しく有意義なものでした。特に今後の活動に活かせると思ったのが市場調査と作物カレンダーの作成方法です。
研修に参加するまでは市場調査では価格を聞けばいい、作物カレンダーは収穫月まで何をするか書けばいいと簡単に思い込んでいました。しかし市場調査では実際に尋ねる項目数は産地や品質、需要のピーク月や支払い方法等の約10項目もありました。農家になりきって市場の売り手に質問していたオフィサーは時々会話が途切れる場面もありましたが、質問が終わる頃には売り手と会話が続くようになっていました。この様子を見て、ここで真剣にやり取りすることによって徐々に信頼関係が出来上がっていくのだと思いました。
市場調査をする前に「農家は緑のトマトを収穫する」という興味深い話を聞きました。
これは収穫量を稼ぐ為に熟していないトマトを収穫し、収穫後に薬や日光に当てることによって表面の状態を良くする、見た目の良いトマトを売り手は購入し市場で売るが中身は熟していない・腐っているなどの問題があり売り手も市場での信頼を失うという話です。市場調査は農家の為だけのものと思い込んでいましたが、実際には信頼関係を築くという面では売り手の為のものでもあるということを研修に参加して初めて知りました。

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市場調査の様子

市場調査が終了した後は調査した野菜の情報を発表し、最後に作物カレンダーの作成をしました。ピーク時に収穫できるようにスケジュールを考え、収穫までにすべきことを明記するのですが、この時間もグループ内は意見の出し合いでした。
植える、肥料をやる、収穫という簡単な流れではなく収穫までにすべきことはたくさんあるんだなと改めて思いました。
農家さんの中にはいつ種子を植えるか分かっていない人もいたり、収穫時期を気にしていなかったりという人もいます。任地では小規模農家が多く、収穫しても自分たち家族で消費してしまうことがほとんどで品質などにこだわっていないからだと思われます。食べる分には困らないかもしれませんが、子ども達の学校費用などお金も必要になってきます。その時に農家としてどうすればいいのか、どうすれば収入を増やせるのか、どうすれば品質の良いものが作れるのかを研修で学んだことを協力隊活動で活用したいと思いました。 

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作物カレンダー作成の様子

この4日間、スワヒリ語が飛び交う会話は理解できないことがほとんどでしたが、参加者に支えてもらい充実した研修期間となりました。最後に挨拶をしたグループメンバーからはケニア生活への激励の言葉もいただきました。言葉も理解できない私に対して優しく接してくださった人達に本当に感謝しています。研修後に連絡をくれた人は早速学んだことを活かし農家グループに対して活動を行っている写真まで送ってきてくれました。可能であれば直接見てみたいものです。
彼らが私にしてくれたように今度は私が任地で農家を支えていきたいと思いました。

若者の農業離れが深刻化している今、子ども達に農業に関心を持ってもらうこと、きちんとした収入が得られることが課題になってくると思います。4Kクラブの活動の中でSHEPアプローチを実践してワークショップ等を行い、野菜を育てる楽しさやビジネスの知識を得ることの大切さを一緒に学んでいきたいと思います。