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プロジェクトニュース 第41号

SHEP研修に参加して感じたこと

JOCV・2024-1・コミュニティ開発・リテイン
木村悠実子

 私の任地であるケリチョカウンティ・ブレティサブカウンティ内リテインは、紅茶工場がある、茶の生産が盛んな地域で、農家の主な換金作物は茶です。一方、茶栽培だけでなく、農家は酪農をしたり、主食であるとうもろこしを栽培していたりします。また、キャベツ、豆、ネギなども栽培しています。
 キャベツを作ったけれど、売り先が見つからず腐らせてしまったという話を聞くので、「売るために作る」への意識変化を促すSHEPアプローチが任地でも有効であると思い、今回カジアドカウンティで行われる農業普及指導員向けのSHEP研修に参加させていただきました。

 4日間の研修は、各普及指導員が自分の担当地域でSHEPアプローチを「実践」することを目的とされた、双方向かつ参加型であることが印象的でした。
 ほとんどの講義はケニア農業省職員であるプロジェクトスタッフが講師をされていたのが驚きでした。英語だけでなくスワヒリ語も使い、現地の文化・習慣・生活を知っているプロジェクトスタッフが講義することで、参加者への伝わり方も格段に上がるのだろうなと思いました。
 進行自体は、カウンティのオフィサーが行っており、お祈りをしたり、独特の拍手の仕方をしたり、研修中の役割決めをしたり(Governor (リーダー)、Spiritual Leader(お祈りする人)、Energizer(息抜きのストレッチを主導する人)など)日本では見られないケニアの研修の慣習を見ることができました。
 日本のやり方を押し付けるものではなく、現地の研修のやり方にSHEPアプローチのコンテンツが乗せてあり、研修の理想的な形だと思いました。
 研修中には農家の気持ちになってマーケットに足を運び市場調査を実践し、その情報をもとに作物選定を行い、選んだ作物についてカレンダーを作り、プレゼンテーションも実施しました。実践があることで、講義でもプレゼンテーションでも活発にコメントや質問が飛び交っていました。

 私も普及指導員に混ざって研修を受けて、SHEPアプローチの中心となる市場調査・作物選定・栽培暦作成の具体的な手法を学ぶとともに、大きな気づきを得ました。私は現在、政府が無償配布した作物について、任地では新しい作物であることから、巡回栽培指導をしています。一方、今回作物選定のプロセスを実践するにあたり、選定の検討材料として各作物の収量、単価、コストから収益を出す際に、私が栽培指導している作物は多くの園芸作物に比べて収量が低く、そのため収益が低いことに気付かされました。無償配布されたものだったので、それが実際に農家の収入向上につながるかという視点が欠けていたと気付かされました。

外部から与えられたものに対応するより、農家が自ら市場調査を行い、得られた情報を分析し、それを基に栽培を行うことが、彼らの収入向上につながるのだと研修を通して学ぶことができました。SHEPアプローチのコアアクティビティを行うことは、多角的な視点を与えてくれました。今後の活動では、今回の研修で得た気づきを大切にして農家をサポートしていきたいです。

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Kitengela Marketを訪れ市場調査を行った

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作物選定の作業に取り組んだ