88. ICT応用で持続可能なエビ養殖を目指す研究サイトを視察

本プロジェクトのモデル7「メコンデルタにおける気候変動と塩水遡上に適応した先進的かつ持続可能な水産養殖システムの開発」は、メコンデルタ地域にとって(即ちベトナムにとって)重要なエビ養殖を、環境を保全しながら営み続けていくことに資する研究を展開しています。今回視察に訪れたソクチャン省ビンチャウ県のカントー大学実験サイトでは、閉鎖循環式複合養殖が行われています。エビ単独の養殖では水や底泥の環境悪化や病気の発生が問題となりますが、エビに加えて魚類や藻類を同じ系内で養殖することにより、環境負荷を最低限に抑えるシステムです。さらにこのサイトでは、モデル11「インダストリー4.0による環境モニタリング技術の農業・養殖業への応用」で開発されたICT(Information and Communication Technology)による自動計測技術を水産養殖に応用する試みとして、養殖池の水温、塩分、水素イオン濃度、溶存酸素濃度、水位など、水産養殖管理に必要なデータがスマホでリアルタイムに監視できるシステムの試験運用が始まりました。このシステムを活用すれば、養殖業者はタイムリーかつ的確に水質変化に対処できるようになります。水産養殖へのICTの応用は、将来性が極めて大きいと期待されています。

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閉鎖循環式複合養殖システム。このシステムでは環境悪化が最小限に抑えられる。

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ワイヤレス転送されたデータをスマホで確認するThai先生(右:カントー大学)と田中チーフ(左)

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現場では水産が専門のHai副学長(写真右)も一緒に視察、今後について議論。

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視察を行った皆で記念撮影。日々現場で汗をかいてくれる皆様に感謝です!