98. 農業分野における日越の協力発展の功労者ヴォー・トン・スアン教授ご逝去
2024年8月19日、ヴォー・トン・スアン(Võ Tòng Xuân)教授がご逝去されました。スアン教授はベトナムで最も著名な農学者でありました。イネの品種改良や稲作技術の改善などに大きく貢献し、「イネの父」として尊敬されました。偉大な科学者であると同時に、農家の声に耳を傾け、農家の言葉で話す姿勢を貫き、多くのベトナム農家から厚い信頼を寄せられました。本プロジェクトのカウンターパートであるカントー大学(CTU)の副学長も務められ、CTUでは同教授の教え子が多く活躍しています。
スアン教授と言えば、日本との関係を語らずにはいられません。九州大学から博士号を取得された後、長年にわたり農業分野における日本とベトナムの協力発展に大きく貢献されました。その功績により、令和3年春の外国人叙勲で旭日中綬章を受章されました(詳細は在ホーチミン日本国総領事館のHP記事をご参照ください)。
葬儀では、JICAベトナム事務所からも献花が行われ、本プロジェクトオフィスの専門家も葬儀および追悼式に参列しました。また、在ホーチミン日本国総領事館からは小野総領事が参列し、日本を代表して哀悼の意を表され、その様子はベトナムメディアでも大きく報道されました。スアン教授が果たした大きな役割を噛みしめると共に、本プロジェクトも推進している日越間の人材交流、研究協力、そして人材育成の重要性を改めて認識する機会となりました。スアン教授のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
多くの人々に見送られたスアン教授の葬儀