124. メコンデルタナレッジハブ構築に向けたワークショップ開催(2024年12月17日)
今回は、JICAプロジェクトモデル研究12「メコンデルタの持続可能な開発のためのデータ共有・解析センター」に関して、カマウ省で行われたワークショップを紹介いたします。このモデル研究では、メコンデルタ地域の農業生産、水産養殖に必要な各種気象データ、環境データをどのように統合して公開し、政府、企業、そして農業事業者に利用してもらうかを考えるものです。その先にはメコンデルタのナレッジハブ(knowledge hub)となるウェブサイト作成を目指しています。気候変動に対応した行動や施策は正しい現状認識に基づいていなければなりませんので、定量的なデータの蓄積と公開は根本的に重要です。
ワークショップでは、モデル研究を主導するカントー大学(CTU)気候変動研究所Văn Phạm Đăng Trí先生らによる発表の他、水資源管理、環境モニタリングで知見のあるドイツの支援機関(GIZ)プロジェクト専門家や、世界銀行プロジェクトの実施機関、有識者からの説明やコメントがあり、環境データをどのように集め、使いやすい形でユーザーに提供するかについて議論が行われました。データの統合と有効活用には、中央政府、地方政府の他、多くのパートナーとの協働が不可欠であるという共通認識が確認されました。
ワークショップ終了後、水質モニタリング機器設置場所や、データ収集に協力してもらっている農業協同組合を訪問しました。データポータルやウェブサイトをいくら整備しても、元となるデータが適切に計測されたものでなければ意味を成しません。学術機関であるCTUと協力することで、信頼できるデータを提供できるナレッジハブとなるよう、引き続きプロジェクトは努力していきます。
関連参考プロジェクトニュース:
写真1 ワークショップで発言する田中チーフ
写真2 ワークショップ参加者
写真3 データ収集に協力して頂いている農家を訪問