160.カマウ省沿岸を守る防波堤効果研究とベトナムテレビ番組制作グループの取材(2025年11月5-8日)
今回は、共同研究モデル10「メコンデルタにおける海岸浸食モニタリングシステムとインパクト評価モデルの開発」に関する研究の一環として、日本側リーダーである北海道大学のRam Avtar准教授、東北大学の田中仁総長特命教授に出張いただき、研究進捗について議論しました。
このモデル研究では、カントー大学(CTU)工学部Đinh Văn Duy講師を始めとした筆頭著者とする国際論文「Simulating the Coastal Protection Performance of Breakwaters in the Mekong Delta: Insights from the Western Coast of Ca Mau Province, Vietnam」も出されるなど、集まってきたデータを基に着実な成果が得られています。これからは、異なる防波堤モデルの効果に関しての更なるワークショップや、国際シンポジウム、そして更なる研究視点を加えた論文発表を目指していくため、議論が行われました。
カマウ省西部沿岸の現場視察においては、現場を守る堤防管理ステーションの方にお話を聞き、実際の波の様子を見学しながら、さらに議論を進めました。加えて、今回は地元ベトナムテレビ(VTV)に向けた、メコンデルタ地域における気候変動の影響を伝えるドキュメンタリー番組を制作する方たちからも取材を受け、田中先生、ラム先生が、日本や世界の経験を踏まえてベトナム、メコンデルタに合った海岸浸食対策についてコメントしていただきました。地域が抱える気候変動リスクと、それに対応するためのJICA、CTUのプロジェクト活動が多くのベトナム人に伝わることを願っています。
写真1:CTU工学部で行った議論、進捗を発表するDuy講師
写真2 現場でデータを見ながら議論する田中仁先生(右)、ラム先生(左)
写真3 波が打ち付ける防波堤を前にインタビューを受ける田中仁先生
写真4 最終日の議論を終えて記念撮影