116. カマウ省沿岸を守る防波堤のあり方を考える(2024年11月8日)
今回は、共同研究モデル10「メコンデルタにおける海岸浸食モニタリングシステムとインパクト評価モデルの開発」に関する研究の一環として、研究サイトであるカマウ省沿岸を訪問し、同地の防波堤管理委員会との研究成果に関する意見交換会に参加しました。
研究成果の中間報告を行ったカントー大学(CTU)工学部副学部長のTrần Văn Tỷ准教授は、実測された波のデータとそれに基づくシミュレーション結果をもとに、複数の防波堤案から最も防波効果の高い設置方法を提示しました。一方で、地元で長年にわたり防波堤の管理に従事し、地域の海と住民の生活を守ってきた管理委員会の方々も、自らの経験に基づいて意見を述べていました。
2019年には、大波や豪雨によって海岸防波堤が大きなダメージを受け、海岸が著しく浸食され、沿岸住民の生活が脅かされたとのことです。効果的な防波堤の研究と開発が、波浪被害と海岸侵食を抑え、沿岸住民の生活を守ることに資すると期待されています。
研究成果はもちろんのこと、常に波の様子に目を配り、地域住民の安全のために働く管理委員会の方々との交流も非常に印象に残りました。同委員会には、専任の方もいれば、地元住民から選ばれ兼任として参加している方もおり、海の安全はこうした人々の努力に支えられているのだと改めて感謝の念を抱きました。
写真1:現場で発表を行うTỷ先生(写真右)
写真2 遠くに防波堤を見つつ、波強を測定する地点にはJICAプロジェクト看板が。
写真3 防波堤の上から。左が沿岸側、右が沖合側。
写真4 意見交換会参加者