144. JICA本部担当者がカントー大学を訪問 教育・研究支援の成果確認と、今後の連携に向けた意見交換(2025年6月4-6日)
2025年6月4日から6日にかけて、JICA人間開発部高等・技術教育チームの井上課長および本郷職員、さらにJICAベトナム事務所のTrần Thì Ngọc Anh所員が、カントー大学(CTU)を訪問しました。
一行は、Lê Văn Lâm副学長を表敬訪問するともに、学内研究施設および研究現場を視察しました。副学長からは、CTUの教育・研究活動の現状について紹介があり、これまでの日本政府およびJICAによる支援への深い感謝の意が表明されました。
JICA側からも、支援対象である技術モデルの担当教員と直接意見を交わし、実際に現場を見学できたことへの謝意が述べられ、今後の協力体制や課題認識について建設的な意見交換が行われました。
大学構内の視察では、2015年から実施されている有償資金協力「カントー大学強化事業」により整備された先端研究棟、総合研究実験棟、水産孵化場などを訪問。各施設が教育および研究の現場で活用されている様子を確認しました。
続いて一行は、ハウザン省に移動し、Hải Yến協同組合が運営するタウナギ養殖施設を訪れました。この施設では、閉鎖循環式水産養殖システム(Recirculating Aquaculture System)を活用して、以下の2つのモデルと連携した研究が進められています:
- モデル7:「メコンデルタにおける気候変動と塩水遡上に適応した先進的かつ持続可能な水産養殖システムの開発」
- モデル8:「メコンデルタにおける気候変動および塩水侵入下での水産養殖のための種の多様化と種苗の質改善」
また、移動の途中には、モデル3「感染症対策を含む持続的かつ半集約的なアヒル生産方法の開発」に基づき生産されたアヒル肉を食材として提供するNông Gia協同組合運営のレストランも訪問。ここでは、研究成果の社会実装がどのように現場に根付いているかが紹介され、今後のさらなる発展に向けた課題についての意見が交わされました。
写真1.Lâm副学長(右から5人目)らを表敬
写真2. 研究室で。Hà准教授(右から2人目)から説明を受ける
写真3. Hải Yến協同組合のタウナギ養殖施設を見学(写真中央は水産養技術学科長Liêm准教授)