良質なカカオ生産を目指して
これまでDRIP de PAZプロジェクトでは、コロンビア北部に位置するセサル県アグスティン・コダシ市の生産者を様々な形で支援してきました。この地域では気候変動の影響を受け、コーヒーからカカオ生産への転換期にあり、生計向上を目指してアボカドやラズベリー栽培にも取り組んでいるところです。
2024年10月には、質の良いカカオを育てるために、国内大手のチョコレート会社の農園にて3日間のスタディツアーを開催し、20名が実践研修を通してカカオ栽培の基礎から品質管理まで学びました。そして今年5月には、カカオ農家が同一作物だけに頼らず収入を増やすため、JICAはアボカド栽培の研修の場も提供しました。今年に入り完成した肥料生産施設では、農家の皆で協力して有機肥料を作っています。これらの肥料を使い、将来的には付加価値のあるオーガニックカカオの生産を目指しています。
また、これらの農家が加盟する地域に根差した生産者組合「Agrosolidaria」は、プロジェクトのパートナーとして共に幅広い活動をしてきました。彼らの特徴は、JICAが供与したドローンを使い、各農家の作物栽培状況を細かく画像にて管理し、地図上にこれらの情報を詳細に落とし込み、遠隔からもモニタリングをする技術を持っている点です。
生産者に寄り添う熱い想いを持ったメンバーから構成されるAgrosolidariaへの支援も今年6月をもって終了し、300名近くの加盟生産者が集結した年次総会では、DRIP de PAZの活動報告を行いました。
短期間でしたが生産者が求める支援を展開し、紛争被害者である彼らの生活に自立と平和をもたらすことができたプロジェクトです。彼らが大事に育てるカカオがチョコレートに姿を変えて日本の消費者に届く日が来ることを願います。
若者のカカオ生産者も活躍中
村を周り住民の意見に耳を傾ける組合代表
カカオツアーに参加した紛争被害者の女性たち
有機肥料施設にて研修を受ける様子