住民にわかりやすい食事指導の実施
優先NCD(高血圧症や糖尿病)の治療には、食事療法が重要です。プロジェクトでは、住民が理解しやすく、日常の食生活に取り入れやすい指導を行っています。
例えば、「砂糖と塩」の摂取に関する食事指導です。ホンジュラスの住民は、塩と砂糖を多く摂りすぎる傾向があります。そこで、保健センターにおいて実施される高血圧症・糖尿病クラブを活用し、砂糖と塩の摂取に関する講話を実施しています。講話では、実際に食品に含まれる糖類・食塩相当量を示した視覚教材を参加者とともに作成するなどして、治療や予防にかかる情報を伝えています。
講話では、砂糖や塩の過剰摂取が身体へ与える影響、糖分・塩分の多い食品、摂取量を抑えるための調理方法や食材の選び方について説明をします。減塩料理の調理について実演も行い、参加者からは「これなら家でも簡単にできそうだ」と大変好評です(写真1)。また、視覚教材の作成においては、砂糖と塩を用いて食品や調味料、飲料に含まれている糖類・食塩相当量を測定し、それを掲載版として完成させます(写真2)。参加者においては、日ごろの身近な食品に含まれる糖分・塩分の多さを知り、食生活を見直すきっかけとなっています。
更にプロジェクトでは、「食材カード」と「1日の献立例」を使った指導を導入しています(写真3)。保健センターで実施されている生活習慣改善カウンセリングでは、バランスのとれた食事についてアドバイスが行われています。その際、患者さんが1日に何をどれだけ食べればよいのか具体的にイメージができるよう、「食材カード」を導入しました。カードには、ホンジュラスで日頃食べられている食材が選択され、摂取量の目安がわかる写真が掲載されています。また、「1日の献立例」も作成されました。これらのツールは、食事指導に関する説明を容易にし、患者さんも視覚的に理解をする上で役立っています。
住民が理解しやすく、治療や予防に役立つ情報の伝達が重要です。プロジェクトでは、これらの食事指導の活動について、現場での試行を通じて今後更に改良していく予定です。
高血圧症・糖尿病クラブにて、減塩料理を実演する様子
作成された「塩と砂糖」の含有量を示す掲示物
カウンセリングで「食材カード」と「1日の献立例」を活用する様子